楢﨑 瑞の日記
蒼茫
お正月休みが終わったと思っていたら、
あっと言う間に2月ですね。
年度末にかけて、新生活への準備をなさっている方も多いかと思います。
この時期何が寂しいかというと、
去年、夏の大会で取材した球児たちが、山口を去っていくことです。
進学や就職。選手たちはそれぞれの道へ散らばっていくのですが、
やはり寂しい。
先日、この選手の取材に行ってきました。
去年、春夏と甲子園に出場した岩国高校のエース・柳川君です。
センバツ決定の生中継、
センバツ取材、
夏の県大会に甲子園、そしてスポーツコーナーの特集と、
柳川君には何度も取材させていただきました。
いつ行っても、人懐っこい笑顔を向けてくれる、
そんな彼も4月から大学生。関東に行ってしまいます。
2月からは関東と山口を行ったり来たりだということで…
高校生の彼を取材するのもこれが最後かと思うと、
何だか寂しい気持ちになりましたが…
初めてのひとり暮らしに不安そうな様子を見ると、
寮生活を前に不安だらけだった中学生のころの自分を思い出して、
ふと懐かしくなりました。
新生活については不安そうでしたが、
野球の話になると「もっと練習して、もっといいピッチャーになります」
…と、力強く宣言してくれる柳川君。
その表情はまさに、夏の大会で見た頼れるエースの顔そのものでした。
自らの弱さを受け入れることを「勇気」といい、
そこから強くなりたいと願い動き出すことを「成長」という。
私が大事にしている言葉です。
不安は「先が見えないから」生まれる。
でも先が見えないということは、
自分が予想したこともない新たな可能性があるということ。
たくさんの不安を乗り越えて、いろんな世界と可能性を手にしたとき、
柳川君も、
これから山口を旅立つ球児たちも、
きっと、ひと回り大きくなって帰って来てくれるでしょう。
その日まで、また。