田中 亨の日記
冬の使者
突然ですが、ここはどこでしょう?
正解は、周南市八代(やしろ)。
写真は1月19日の様子です。
県内全域で雪が降りましたね。
多数のスリップ事故や広範囲で断水も起き、まだ不便を強いられている方もいらっしゃるかも知れません。
少しでも早く元の生活に戻られることをお祈りしております。
さて、県内の方はお馴染みかもしれませんが、写真の周南市八代は本州唯一のナベヅルの越冬地です。
私は、去年の秋から八代で取材をしてきました。
生き物は好きな方ですが、ナベヅルという鳥について調べるのは初めてです。
ナベヅルはタンチョウなどと違い、首から下は黒っぽい羽です。
写真は親子のナベヅル。
雪の中、じっとナベヅルを見ていると、前を歩く親のツルが、後ろにいる子どものツルの様子を気にかけて、時折、振り返りながら歩く場面がありました。
人間の親子と変わらない愛情を感じ、心が温かくなったのを覚えています。(気温は氷点下でした・・・)
かつては300羽を超えるナベヅルが八代で冬を越していたそうです。
地元の方は「昔は、家の庭先までツルがやってきて、麦をついばんでいた。ツルは身近な存在だった。」
「八代と言えばツル。毎年やって来るのが楽しみ。」とお話して下さいました。
ナベヅルは八代にとってシンボルであり、アイデンティティの1でもあるのです。
しかし、近年は飛来数が減少し、今シーズンは過去最低タイの4羽(2月1日現在)となっています。
八代では、ナベヅルが夜に休むための「ねぐら」や田んぼの整備が続けられています。
自然を前に、人間の力ではどうにもできないこともあると思います。
それでも、地元の人たちの思いが“冬の使者”に届いてほしい。
ただ、ただ願うばかりです。
「ツルの里」八代の様子について、2月1日の「Jチャンやまぐち」(午後6時15分~)でお伝えします。
ぜひご覧ください!