楢﨑 瑞の日記
解任劇に思う。
5月23日。
このニュースに驚かれた方も、というよりほとんどの方が衝撃を受けたのではないでしょうか。
「レノファ山口FC 上野監督 事実上の解任」
レノファがアマチュア最高峰のJFLに入会した2014年から指揮を執り、
2014年にJ3昇格、2015年にJ2昇格と、1年ごとにレノファのカテゴリを上げ、
昨シーズンは昇格初年度ながらJ2で12位にレノファを導いた監督です。
シーズンも1/3が終わり、レノファは20位。苦しい状況が続いています。
私の周りでも「レノファは大丈夫か」といった声がしばしば。
そこでの監督退任。事実上の解任。
サポーターもメディアも、誰もが衝撃を受けています。
監督解任の是非、そしてチームがどうなるのか?
私個人の見解をここで触れることはしません。
ただ思うのは、
これは山口にJリーグ、とりもなおさずプロサッカーチームという文化が根付くための試練ということ。
日常ではイメージしづらい部分はありますが、
「プロ」である以上、勝利が求められます。
「頑張っている」というのは過程であって、結果がすべての世界でもあります。
選手は勝つためにプレーをしますし、
首脳陣は、選手個々の力を最大限引き出す努力を、
そしてフロントと呼ばれる経営陣はその環境づくりをします。
全ては勝つために、それぞれの分野のプロがプロとしての仕事をします。
そこで結果が出ない。
…となると、結果を出すための施策をとらねばなりません。プロだからです。
その結果、こういった解任ということが行われます。
今回の監督交代の是非や意義を問うているのではなく、
一般論として、「結果が出ない」から「結果を出すために」そういった判断が行われるのです。
もちろん、そういった形での別れは心情的にはネガティブなものがあります。
ただ、あくまで「勝つために」「事態を好転させるために」、
強い意志を持って決断されるものです。
そしてこれはプロとしての宿命でもあります。
レノファもいつかは、プロのクラブとして通らねばならない道だったと言えます。
何度も言いますが、今回の解任の是非を問うているのではありません。
私の、上野監督への思いはさておき、
レノファはプロチームとして、「勝つためにこれが最良だと結論付け、批判を覚悟で決断した」ということ。
その事実をお伝えしたいのです。
様々な意見があることかと思います。当然です。
レノファがプロチームとして、初めての「解任」という大きな決断をしたのですから。
ただ、プロである以上「こういうことはいつでも起こりうる」というのも事実ですし、
それに対して私たちも常に覚悟をしなければならない。
そういう意味で、
「山口にJリーグ、プロサッカーチームという文化が根付くための試練」だと思うのです。
これまでそういった文化がなかったのですから。
慣れるというと語弊があります。ただ、これは乗り越えていかなければならない。
そしてもう一つ。
この件に関して出てくるたくさんの思いや意見。
私はそれこそが大切だと思います。
その意見をみんなで議論しましょう。
主張の優劣ではなく、「レノファ」について、みんなで考えましょう。
家庭でもいい、学校でもいい、会社でも、飲み会の席だっていい。
何気ない日常で、当たり前のようにレノファやサッカーの話題が出る。
それが、山口に「Jリーグ」や「サッカー」が「本当の意味で文化として根付く」きっかけになるのです。
数多の先輩方がつないできたレノファの歴史が、上野監督の登場によって実をつけ、
選手、関係者、サポーターの力でプロチームとして花開きました。
そして今、プロチームとして様々な意味で苦境に立っていると言えます。
だからこそ、みんなで考えましょう。語りましょう。
このピンチを、
レノファやサッカーが「文化」としてさらに根付くきっかけにしましょう。
そんな風に思います。
そして…
みんなで考えて語って、いてもたってもいられなくなったアナタ!
一緒にスタジアムで応援しませんか?
泣いて笑って、喜んで。
そんな最高の週末が、スタジアムで待っています!
ピンチをチャンスに。
サッカーを文化に。
さぁ、こんなときこそ、「やってやろうぜ」!