沖田 総平の日記

浅見光彦…永遠に

私のプロフィールにも書いてありますが、「好きな作家は?」と聞かれていつも真っ先に答えるのが内田康夫さんです。その内田さんが、先日、お亡くなりになりました。

私が内田さんの作品と出会ったのは中学生の時。

映画化もされた『天河伝説殺人事件』だったと思います。

それ以降、浅見光彦シリーズにハマり、すべての作品を読んできました。

浅見光彦シリーズの魅力は、主人公の浅見光彦が全国を旅することです。風景の描写が非常に詳細で、行ったことがない場所でも、作品を読むことで行ったような気分にさせてくれます。また、作品に出てきた場所にどうしても行きたくて、旅行で訪れたり、出張の時に延泊して足を伸ばしたり…ということもありました。旅好きの私にはうってつけの作品たちでした。

もちろん、作品の中には山口県が舞台のものもあります。『萩殺人事件』と『汚れちまった道』は山口に来る前に読んでいたのですが、山口の細かい土地鑑が身に付いてから読み直して、新たな感動を覚えたことを思い出します。

そんな浅見光彦の事件簿が、もう新たに生み出されないことは非常に残念ですが、これからも読み直すことで、それぞれの作品の魅力を再発見できればと思っています。

 

主人公である浅見光彦は、作品の中ではずっと33歳です(1つだけ34歳の作品がありますが…)。

私が初めて作品を読んだ中学生の時、33歳は“おじさん”のイメージでした。その後、私の年齢がいつの間にか浅見光彦に追いつき、ついには追い越して10年が経ちました。

しかし、今でも私の中で浅見光彦は“年上”の憧れの存在のままです。例えるなら、大人になってからも、甲子園でプレーする高校球児を年上に感じてしまうのに近いでしょうか?

これからも浅見光彦シリーズがテレビドラマ化されることがあると思います。光彦役の俳優さんが変わるごとに新たな浅見光彦像も生まれますので、それも楽しみです。

内田康夫センセに哀悼の意を捧げながら、これからも作品に触れていきたいと思ってます。