楢﨑 瑞の日記
「予選」は使わない
7月になりました。
私にとって、1年で最も忙しく、最も大切にしている時期が、この7月です。
そう、高校野球の季節です。
小学校から大学まで、野球に打ち込んできた私にとって、
もはや、高校野球は仕事を超えた存在と言っても過言ではありません。
前職を辞め、アナウンサーを志したのも、
「高校野球の実況がしたい!」という動機からでした。
下関国際の連覇で終わった昨夏の山口大会から、はや1年。
今年の山口大会も混戦模様。ハイレベルな戦いが大会を通じて予想されます。
yabでは今年も1回戦から連日放送。
大会を通じて、試合の模様や様々な企画をお届けすべく、
取材をはじめとした準備の真っ最中です!
もちろん「どこが優勝するか」とか、
「~~は、こんな戦力で…」という話も大事なのですが、
それ以上に、大会を通じて「3年間のすべてをかけて戦う姿」をしっかりとお伝えしたいと思います。
夏の県大会はしばしば、「予選」という表現をされることがあります。
こと夏の大会に関して言えば、私はこの「予選」という言葉が嫌いです。
おそらく甲子園大会(全国大会)を基準にしての、「予選」という表現かと思いますが…
確かに、位置づけとしてはそうとも取れるかもしれません。
ただ、この大会名は
「第101回全国高等学校野球選手権山口大会」…です。
夏の甲子園に関しては、ここから「山口」が抜いた形で表記されます。
お気づきでしょうが、どこにも「予選」という言葉は存在しません。
あくまで、全国高等学校野球選手権「の」山口大会であり、
その大会での優勝チームが県代表として甲子園に出場することになっているというだけなのです。
甲子園に出るということは、本当に凄いことです。誇るべきだし、最大級の賛辞が贈られてしかるべき偉業です。
ただ一方で、甲子園に出ることだけが高校野球ではない、と私は考えています。
選手であろうが、マネージャーであろうが、応援団や試合の補助員、そして審判員や運営担当であっても、
人生で一度しかないこの瞬間に、「夏の大会」で、それぞれの役割を全うしようと頑張る姿にこそ意味があると思います。
そして、その舞台に立つまでの軌跡や努力にこそ、大きな拍手が贈られるのだとも。
甲子園に出るという事は本当に凄いこと。
ただ、甲子園に出られないと凄くない、というわけでは決してありません。
その舞台に立つまでに過ごした時間や努力も、なにより凄いこと。そう信じているからこそ、
甲子園を基準とした、「予選」という言葉を口にすることはしません。
(そもそも正式名称ではないというのも大きな理由ですが)
その舞台に立つまでに過ごした時間や努力に賛辞が贈られるからこそ、
その中で優勝し、甲子園に出場する1チームにも、大きな称賛があるのではないでしょうか。
…どうも話が大きくなりすぎました。
何が言いたいかというと、
今年の夏も、そんな気持ちを胸に秘めながら、
たくさんの選手たちの頑張りを、言葉で、映像でお届けします!!…ということです。
球児たち(部員全員のことです)の頑張る姿を、その思いを、ぜひyabでご覧ください!