楢﨑 瑞の日記

この季節に思い出す

先日、夏の高校野球・山口大会のDVDナレーションを担当しました。

 

毎年恒例となっている高校野球DVD。

下関での試合を中心に、1回戦から決勝までのハイライトを収録しています。

今年は「さらに中身を充実させよう!」ということで、

私もディレクターを兼務して、例年より多めに企画を作って収録しています。

 

この試合はこんなことがあったな、こんな選手がいたな、こんなプレーがあったな…

そんなことを考えながらのナレーションでした。

改めて、終わったんだなと感じて、少し寂しくなりましたが…。

 

 

あの大会から2か月。

もう9月も終盤ですね。

 

引退した3年生たちは進路について

毎日いろんな事を考えながら日々を過ごしている事でしょう。

野球をやっている時とはまた違った、辛いことがあるかもしれません。

 

そういえば私自身、高校野球を引退した後、

この時期はポカーンと過ごしていたなと…高校3年の秋を思い出しました。

「きょうも練習か~休みたいな~」と毎日のように思っていたのに、

いざ引退して練習が無くなると、もの凄く寂しくなって…結局グラウンドに行っちゃう、という…

でも試合に出られるわけでもなし。秋や春、夏の大会という季節ごとの目標も無くなって、

なんだか宙ぶらりんな気持ちのまま、いつの間にか9月も終わって…そんな時期でした。

 

将来のことを考えなければいけないのに、

目標を見失うというか、どうしていいかわからなくなってしまうんですね。

さて、これからどうしたものかと。

 

引退した3年生のなかに、同じような思いの人がいるかはわかりませんが…

 

あれから15年が経って思うのは、

あのポカーンと過ごした時間が、すごくいい時間だったな…ということです。

 

野球が大好きで野球だけしていれば満足だった時間から、

「将来何になりたいか」「どうしたいのか」という事をしっかり考える時間に変わった、

そんな時期だったなと。

そこではっきりと

「自分は野球の実況がしたい、しゃべることを仕事にしたい」と思えたことが、

今に繋がっていると思っています。

 

 

時間は限られているかもしれませんが、

どうか3年生の皆さんには、いまこの時間、じっくりと自分と向き合って、

ゆっくりと考えてほしいなと思います。

何になりたいか、何をしたいのかを見据えながら。

 

そして、辛くなった時には、

この高校野球のDVDを見て気持ちを奮い立たせてくれたら…そんなことを願ってやみません。