田中 亨の日記
「4本」どう読む?
人、枚、本、個、匹など
日本語には物事の数量を表す助数詞がたくさんありますよね。
アナウンサーになったばかりのころ、「3階」の読みかたを注意されたことを覚えています。
3階=さんがい が正しい読み方です。
研修で、「さんかい」と読んで講師に指摘されました・・・
日本語には 連濁(れんだく)と言って、
濁音ではない二語がつながって一語になるときに、後ろ部分の最初の音が濁音になることがあります。
例えば、
忍(にん)+者(しゃ)→にんじゃ
草(くさ)+花(はな)→くさばな
※連濁には例外が多々あります。
アナウンサーは、アクセントはもちろんですが、
こうした助数詞の読み方や連濁なども確認して、ニュースやナレーションを行っています。
恥ずかしながら、間違うこともありますけどね・・・
仕事柄、家で子どもが間違った日本語を使うと、
「『食べれる』じゃなくて、『食べられる』なんだよ~」などと会話の中で教えています。
ただ、指摘してもいいのだろうか・・・と悩むこともあるんです。
最近、我が子は「本」(ほん)という助数詞を覚えたようなのですが、
数を数えるときに「4本(よんぼん)」と言っていました。
アナウンスの観点からいうと「よんほん」が正しい読み方です。
しかし、山口県内では「4本」を「よんぼん」という方言があります。
正しい日本語と方言の両方を理解できるのが理想なのですが、まだ子供の頭の中は「?」だらけ。
個人的には、子どものアイデンティティを形成する過程で方言は重要な要素になると思います。
アナウンスの正解を押し付けるだけにならないように、
地元の文化として方言を受け入れつつ、言葉と向き合っていきたいものです。