田中 亨の日記
春に思う
受験を終え、新生活を迎える皆さんへ
4月からの新しい生活に向けて準備をしている人も多いと思います。
第一希望の学校に合格した人、そうではなかった人、
それぞれの思いを抱きながら前に進んでいる季節だと思います。
最近、受験生と関わることが多くありました。
「田中さんはどうだったんですか?」と聞かれることもあったので、
この機会に私の受験期を振り返ってみようと思います。
自慢ではないですが、私は大学受験に落ちた人間です。
まさに絶望を味わいました。
高校時代からアナウンサーを志望していた私は、自分なりに調べる中で
「アナウンススクール」に通うのが近道だと感じ、関東の大学を目指すことにしました。
関東の大学を目指したのは、標準語の環境に身を置き、
大学に通いつつアナウンスの勉強をするためです。
しかし、第一志望の大学に不合格。桜は咲きませんでした。
「人生終わったな・・・」心にぽっかり穴が空いたような状態でした。
幸い別の大学に合格したものの、正直、自分の理想とはかけ離れた環境でした。
家庭の事情で浪人はできず…親に無理を言うのも悪いと思い、
第一志望ではない大学に進学することに決めました。
大学の入学式を終え、失意の中で新生活が始まりました。
当時は自分が置かれている状況をずっと受け入れることができませんでした。
自分を認めたくない自分がいました。
この状況を打開しようと、「できることはすべてやろう!」と日々を過ごしました。
一言で表すと、「がむしゃら」でした。
幸い大学では友人もたくさんでき、
報道機関でのアルバイトでも貴重な経験をすることができました。
時には友人からの誘いを断り、ひたすら経済学の本を読み漁った日々は
「勉強の大切さ」を自分なりに見いだせた貴重な時間でした。
そして、運よく編入試験に合格。
大学3年生からは関東の大学に通いました。
2年遅れで始まった関東での大学生活ですが、
アナウンススクールにも通いながら学ぶことができ、刺激的な日々を過ごすことができました。
就職後も紆余曲折あり遠回りはしましたが、アナウンサーになることができました。
今は自分に託された仕事をしっかりと全うしようと奮闘する日々です。
その中でも、自分の言葉でどう表現して伝えるとより良い放送になるのか
これからも向き合い続けていきたいと思っています。
何度も言いますが、私はかつて絶望の春を迎えた人間です。
今は自分のことを認めることができない人の気持ちも少しはわかるつもりです。
受験が上手くいかなくても人生は終わりではありません。
何の知識も技術も持っていなかった人間でも、
行動し続ければ何かが起こるかもしれません。
挫折を経験した人は強くなるチャンスを秘めています。
私は大きくても小さくてもいいから目標を持つことで
きょうよりも良いあすに向かっていけると思っています。
その中で、何か希望のようなものを見つけてほしい。
新しいスタートを迎える皆さんにエールを送りたいと思います。
私も頑張ります。