浅野 航平の日記
奇跡の1-6-4A
有難いことに
夏の高校野球・山口大会、今年も実況者として取材者として
大会に関わることが出来ました
貴重な時間を割いて取材に応えてくださった
球児、指導者、保護者など、関係者の皆さんに感謝です
実況や取材で関わったこともあり
・岩国の佐伯主将「たった1人で迎えた最後の夏」
後輩達と力を合わせ、センバツ出場の光に勝利
後に優勝校となる宇部鴻城相手にも、自らのセーフティーバントから一時逆転へ
・秋、春、夏 高川学園、三冠をかけた挑戦
お兄さんの分も甲子園へと、一戦一戦マウンドで成長を見せた徳原投手
2回戦、3回戦と6打数6安打で打線を牽引した宮原主将
準決勝で初ヒット・曽我選手、タイムリーにファインプレー大搗選手、2年生の輝き
・秋準優勝、春準優勝、執念で夏の頂点へ 宇部鴻城
与えられた練習メニューのみならず、自らにランメニューを課し掴んだエース 淺田投手
「チームを引っ張ったのは自分だけど この優勝はみんなで掴んだもの それを表現したい」
優勝インタビューの締めくくりにベンチメンバー全員を呼び寄せた大川主将
など、印象に残るシーンがたくさんあったこの夏ですが
プレーとして一番心に残ったのがタイトルに書いた「奇跡の1ー6ー4A」
南陽工業と下関国際の準々決勝、10回表タイブレークの南陽工業の守備です
ノーアウト2塁1塁で始まったタイブレーク
ピッチャー前、少し1塁方向に転がったバントの打球を
山本投手は3塁でもなく1塁でもなく、迷わず2塁へ送球
そこにはベースカバー・ショートの齊郷竜馬選手、1塁にもベースカバー・セカンドの原選手
3人の意志ががっちり噛み合い、ダブルプレー
このビッグプレーがあり、南陽工業は10回表を0で凌ぎました
そして、ウラにサヨナラで勝利
以前、グラウンドにお邪魔した時に、山崎監督が「こんなプレーがあったんです」と
春先に行われた周南市内大会、守備の場面
ランナー3塁でライトへ飛球、ライトがキャッチし3塁ランナースタート
ライトがバックホーム、しかしこれが暴投に
それた送球をホームベースを外してキャッチャーが捕球
空いたホームにピッチャーがベースカバー、3塁ランナーをタッチしてアウト
完全に想定できるプレーではもちろん無い中、同様に意志が嚙み合ったシーン
「同じ時間をたくさん過ごすからこそ こういうプレーが出ると思うんです」と山崎監督
先述の「奇跡の1-6-4A」
プレーに関わった山本投手、齊郷竜馬遊撃手、原二塁手
山崎監督の自宅兼寮で寝食を共にした、3年生3人です
同じ時間をたくさん過ごした3人です
「確かに練習はしていました、でもあの瞬間、私の頭の中になかったプレー
ただ偶然じゃない、偶然と当然の狭間にあるスーパープレー」
そんなプレーを、ベンチからご覧になったときにどんな思いになりますか?と伺うと
「選手たちと一緒に居て良かったな、監督やっていてよかったなと・・・」
試合後の興奮冷めやらぬ中、どこか嬉しく誇らしくされている山崎監督が素敵でした
そして今願うのは、山口54チームの代表として甲子園に臨む、宇部鴻城の躍進
大声野球を掲げる宇部鴻城、前回の出場は4年前の2019年
コロナ前に声出し応援が行われた最後の年、つまり
今大会甲子園へ、歓声とともに大声野球が帰ってくるというわけです
6日に行われた開会式、どのチームより大きな声でしっかりと腕を振り
甲子園のグラウンドを堂々と行進した選手達
初戦は大会屈指のスラッガーを擁する岩手の花巻東と
県民のみならず全国の高校野球ファン注目の一戦になりそうです、応援しましょう!