番組審議会とは
放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の9名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。
委員長
福田百合子 (中原中也記念館名誉館長、山口県立大学名誉教授)
副委員長
委員
藤田敏彦(富士商株式会社 会長兼社長)矢野道代(矢野健康体操研究会会長)
吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 教授)
樫村伸哉(朝日新聞山口総局長)
酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
黒神直大(遠石八幡宮宮司、周南市体育協会会長)
福田浩治(山口県総合企画部次長)
第248回 放送番組審議会
概要
開催年月日 | 2018年6月5日(火) |
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開催場所 | 山口朝日放送本社 役員会議室 |
出席委員名 | 福田百合子委員長 藤田敏彦委員 矢野道代委員 吉本秀子委員 酒田義矢委員 |
会社側出席者 | 代表取締役社長 天野尚彦 取締役編成・業務、技術担当 芳沢重雄 取締役総務担当 小川容 取締役報道制作局長 諸岡亨 編成局長 藤本郷史 編成局編成業務部長 渡辺正樹 報道制作局報道部岩国支局長 竹内研二 番組審議会事務局長 赤穴泰博 |
議事録
課題番組である、「見返りのまち 極大化する米軍岩国基地」について意見交換が行われ、おおむね次のような意見が出された。
・岩国基地に反対している市議が、自腹でチラシを撒いたりして活動している様子を映す一方で、推進派の市議の「基地に依存するのではなくて、共存するのだ」という話を紹介したりして、基地問題の両面の姿がよく表れていたように感じた。
・番組のナレーターがタレントでなく、自局の八谷アナウンサーだったのがよかった。ナレーションも落ち着いた感じで、非常に聞き取りやすかったと思う。
・とてもyabらしいドキュメンタリーだと思った。知らなかった岩国基地問題の歴史が、短い時間の中で非常にクリアに表現されていたと思う。最初に時計やパンジーなどの風景を映し出して問題提起をしたところも、たいへんよかったと思う。
・基地問題を扱う最近の番組の特徴として、日米関係の問題でなく、国内問題として扱うという傾向があるが、岩国の事例も、アメリカでなく、日本政府が、ここに基地を作るためにいろいろ経済的な恩恵を与えている、という番組のテーマは、とてもよく描かれていたように思う。
といった意見が出された。その一方で、
・岩国が子育て世代に手厚い支援をしているということで、IターンやUターンを含めて、実際に岩国で子育て世代が増えているのか、また出生率が上がっているのかどうか、番組の中で具体的な数字を上げてもらえると、もっとよかったのではないかと思った。
・混沌とした基地問題の現実の中で、単に反対派、賛成派の意見を紹介するだけでなく、何をいちばん視聴者に伝えたいのか、ということを明確にする必要があると思う。その意味で、今回の番組タイトルは、当初の「裏切りと見返り」のままで行ってほしかったと思う。
・仮タイトルが「裏切りと見返り」というものだったので、基地に対して問題提起をするとか、警鐘を鳴らすといった内容の番組だろうと想像していたが、実際の番組は、容認派が作ったのではないかという気がした。基地と共生して、うまくいっているというところばかり描かれているように思った。
・番組は最後に、国際情勢によっては岩国が最前線の基地になる、という警鐘を鳴らしていたけれども、では具体的に、基地でどういうことが起こる可能性があるのか、そのあたりを十分描かないと議論にならないのではないかと思った。
・たとえば、岩国基地の米兵が国内で事件を起こしても、日本の司法が介入できないという問題、すなわち米軍基地には治外法権がある、ということに番組でまったく触れていなかったのは問題だと思う。
・最近、基地の問題は、ハードパワーではなくソフトパワーの問題になってきているが、日本でもアメリカでも宣伝費が防衛・国防予算の大きな部分を占めている、という大事な問題が隠されている。それを報道するのがメディアの務めだとすれば、やはり物足りないと思った。残念ながら、いわゆる調査報道の域には及んでいなかったように思う。
という意見もあった。
次回開催日は、2018年6月26日です。