番組審議会とは

放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の9名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。

委員長

福田百合子 (中原中也記念館名誉館長、山口県立大学名誉教授)

副委員長

委員

藤田敏彦(富士商株式会社 会長兼社長)
矢野道代(矢野健康体操研究会会長)
吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 教授)
樫村伸哉(朝日新聞山口総局長)
酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
福田浩治(山口県総合企画部次長)

第252回 放送番組審議会

概要

開催年月日 2018年10月30日(火)
開催場所 山口朝日放送本社 役員会議室
出席委員名 福田百合子委員長
矢野道代委員
吉本秀子委員
酒田義矢委員
会社側出席者 代表取締役社長 天野尚彦
取締役編成局、技術局担当 芳沢重雄
取締役総務局担当 小川容
取締役報道制作局担当 報道制作局長 諸岡亨
編成局長 藤本郷史
編成業務部長 渡辺正樹
報道制作局報道部長 高橋賢
番組審議会事務局長 赤穴泰博

議事録

課題番組のテレメンタリー2018「機雷の眠る海」について意見交換が行われ、おおむね次のような意見が出された。

 

・戦後になっても、これだけの数の機雷が日本の海にあったこと、特に関門海峡に集中してあったということは知らなかったので、非常に興味をもって見ることができた。

・高齢者の人々が戦争の歴史を伝えることは非常に大事だと思うので、そういう人に直接インタビューして当時の話を聞いたことは、視聴者に伝わるものも大きかったと思う。たいへんすばらしい番組だった。

・テレメンタリーはこの数年、いい番組を作っていると思う。今回の素材はどこで見つけてきたのだろうかと、たいへん感心した。高齢者の人が、当時の事実をしっかりと話していることに非常に重みを感じた。内容が凝縮された30分番組であった。

・戦後生まれの人間は、戦争の実態が分からない。下関在住で、文章や写真を残してきた81歳の野村さんのような人がいなかったら、私たちは細かな事実を全く知ることができなかった。その事実をこういった番組で伝えることが、いまいちばん大切なことではないかと思った。

・身近な関門海峡に機雷がたくさんあって、1945年以降も戦死者があったということは知らなかった。そういう事実を発掘したという意味で、たいへんジャーナリスティックな視点を持った作品で、短いけれども、よく取材して調べられている秀作だったと思う。

・地元の人でもほとんど知らない関門海峡の機雷の事実を、関係した人たちの証言によってよく知ることができた。この素材を探し出し、番組として取り上げたことに感動した。

 

といった意見が出された。その一方で、

 

・「戦後の戦死」というキーワードが出てきたが、岡崎さんと田中さんは、1945年8月15日の終戦宣言から2か月も経っていない10月11日に、機雷掃海中の事故で亡くなったのだから、「戦後」という言葉を使うのはどうなのか、という疑問も感じた。

・せっかく自社制作の番組なので、ナレーターには局のアナウンサーを使ってもらいたいと思う。また、今回のナレーターは女性だったが、あるいは男性でもよかったのではないかと思った。

・深夜の番組では、多くの人はなかなか見ることができないと思う。テレメンタリーの番組は、もっと視聴者が見やすい時間帯で再放送をしてほしい。

・メディアの伝え方として、機雷をテーマに焦点は絞れているとは思うが、いま世界で起こっているさまざまな問題、たとえば戦闘地域の問題、ジャーナリストの問題、移民の問題など、取り上げ方次第で、もっと問題提起ができたのではないだろうか。

・GHQが機雷の事実を隠そうとしていたとか、戦後も日本政府が明らかにしてこなかったという、両方の問題があったとは思うが、なぜ今になって証言者たちが語り始めたのか、というところが描かれるべきではないかという気がした。

・教育の素材になるような優れた作品ではあると思うが、逆に学者的、公務員的になりすぎて、ジャーナリズム的な面白さがなくなってしまったような気がする。その理由は、現在を起点にして過去を振り返る、という視点が弱かったためではないかと思う。

・「戦後の戦死」ということが大きなテーマだったと思うが、これに関係して、今井さんの「これは国際法違反ですよね」というコメントを紹介しただけで終わってしまったが、この問題はもっと掘り下げて説明すべきだったと思う。

という意見もあった。

 

次回開催日は、2018年11月27日です。