番組審議会とは
放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の7名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。
委員長
吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 教授)
副委員長
矢野道代(矢野健康体操研究会会長)
委員
藤田敏彦(富士商株式会社 会長兼社長)酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
小島達也(朝日新聞山口総局長)
三坂啓司(山口県総合企画部次長)
江﨑克彦(山口新聞山口支社長)
第260回 放送番組審議会
概要
開催年月日 | 2019年7月30日(火) |
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開催場所 | 山口朝日放送本社 役員会議室 |
出席委員名 | 吉本秀子委員長 矢野道代副委員長 酒田義矢委員 小島達也委員 三坂啓司委員 江﨑克彦委員 |
会社側出席者 | 代表取締役社長 天野尚彦 取締役編成業務局、報道制作局担当補佐 関山吉宣 取締役報道制作局担当 報道制作局長 諸岡亨 編成業務局長 近藤寛治 編成部長 益野勝義 番組審議会事務局長 赤穴泰博 |
議事録
課題の「少子超高齢時代におけるテレビの使命」について意見交換が行われ、おおむね次のような意見が出された。
・ある調査によると、高齢者といっても、60代から70代にかけてのアクティブシニアの世代と、それ以上の世代とでは、求められる情報が異なっているということなので、高齢者を一括りにするのではなく、もう少し細分化して情報を発信するような観点が必要ではないかと思う。
・高齢者向けとか高齢者のための番組のようなものは、あまりよくないのではないか。テレビから得られる情報は最も信頼性が高いという調査もあるので、信頼できる情報をしっかり伝えていくという観点で番組を作れば、おのずから高齢者の生きがいなどにもつながる情報も得られるだろうと思う。
・子供の出生率が非常に下がっている中、テレビというメディアには、結婚して子供を産んで将来を担っていく次の世代を育てていくことの重要性、すばらしさ、意義などを、もっと喚起していく力があるのではないかと思う。
・高齢者の比重が大きくなってくると、シルバーデモクラシーと言われるように、老人の老人による老人のための政治になっていくのではないか。したがって、番組作りとしては、あくまでも国民全体のためを考えて、幅広く正しい情報を伝え、国のあるべき将来像を示していくことが重要になってくるのではないかと思う。
・全国ネットには、良質な娯楽や公正な番組を作ることが求められるのはもちろんだが、一方で、今後は地方局の存在が重要になってくるのではないか。特に、高校野球やサッカーなど、地域に根差したスポーツ番組は、お年寄りとお孫さんが一緒に見て楽しんでいる様子も見受けられるので、世代をつなぐ橋渡しのような役割があるのではないかと思う。
・自分の周りの高齢者に人気のある番組は、「水戸黄門」「サザエさん」「新婚さんいらっしゃい」「大相撲」などで、昔と変わりがない。内容が分かりやすく、安心して見ることができるということもあるが、視聴者は、作り手と繋がるような心の拠り所を求めているのではないか。そのへんが安定した高視聴率を保っている理由ではないかと思う。
・信頼できる報道番組、シリアスなドキュメンタリー番組、安定した人気のあるドラマから、心を癒してくれる吉本新喜劇のナンセンスなお笑いまで、テレビから発信されるものには、無駄なものは何一つないように思う。高齢者であろうと子供であろうと若者であろうと、それを自分で選択して見ることができるテレビ、これほど楽しいものは他にないように思う。
・ネット時代になって、即時性という面では、テレビはネットより立場が弱くなっているかもしれない。しかしテレビは映像によって世界で起きている現状を伝える力を持っており、やはりそれを実現できるのはテレビであり、そういうテレビの使命は、時代がどうあれ変わらないと思う。
・ネットの世界は、いわゆるフィルターバブルと言われるように、それぞれの人が関心のある情報にだけ浸り、社会が分断されたようになっている状況がある。それに対して、テレビは幅広いジャンルの興味や関心を紹介していく役割があるのではないだろうか。
・来年は東京五輪、2025年には大阪万博が予定されているが、大きな人口比率を占める団塊の世代の人たちにとっては、以前の東京五輪や大阪万博を振り返るきっかけになると思うので、そういった人たちが人生を回顧し、併せて未来に向けた活力になるようなコンテンツがあるとよいのではないだろうか。
・地方局としては、地域に住む高齢者にターゲットを絞って、地域住民の暮らしに役立つ情報やニュースなどを提供していくこと、つまり地域密着のローカルに徹する姿勢が大事だと思う。
・日本のお笑い番組は、全体的に子供っぽいような気がする。高齢者をターゲットにするのであれば、もう少しヒューマンで高級な笑いをとるような番組作りを目指してほしいと思う。
次回開催日は、2019年9月24日です。