番組審議会とは

放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の7名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。

委員長

吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 教授)

副委員長

矢野道代(矢野健康体操研究会会長)

委員

藤田敏彦(富士商株式会社 会長兼社長)
酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
小島達也(朝日新聞山口総局長)
江﨑克彦(山口新聞山口支社長)
永富直樹(山口県総合企画部次長)2020年4月1日から

第266回 放送番組審議会

概要

開催年月日 2020年3月31日(火)に開催予定だった審議会が新型コロナウイルス感染防止の為、審議会が休会
開催場所 課題番組のリポートを提出
出席委員名 (リポート提出委員)
吉本秀子委員長
矢野道代副委員長
藤田敏彦委員
酒田義矢委員
小島達也委員
三坂啓司委員
江﨑克彦委員
会社側出席者

議事録

課題番組の長野朝日放送・山口朝日放送共同制作特別番組「佐久間象山と吉田松陰~史上最強の師弟~」についてリポート提出され、

おおむね次のような意見が出された。

 

・番組は、東京・銀座にあった象山の私塾「五月塾」跡の様子から始まり、一見すると、旅行番組のような始まり方だったが、そこから、東京、長野、山口の三カ所を結んで、2人に関連する史実が展開された。その中で、東京の中村雅俊と多摩大学の河合敦教授を中心にしながら、長野市松代、山口県萩市におけるロケ地に並行移動するような番組展開の形がユニークだった。

・中村雅俊のMCが非常にソフトに全体を包み込んでシナリオが出来ていたと思います。自然な流れの中で番組が構成されていて、二人の両局の女性アナウンサーとのやりとりや解説の方たちとも分かり易い説明がなされていたと思います。

・山口県民として吉田松陰のことはよく知っており番組内で出てくるほとんどのエピソードは一部を除き知っていた。逆に佐久間象山についてはほとんど知らず新鮮であった。長野県民においてもそうであったと思う。両県民共に楽しめたのではないだろうか? お互いがメインの共同制作であったことがよかったのでは?

・中村さんの落ち着いた語りぶりが番組を落ち着かせ、じっくり見られる雰囲気を作っていたようにも思います。萩博物館と真田宝物館それぞれの学芸員の解説や、中村さんとやりとりした河合さんの解説もわかりやすい内容で、番組に深みを与えてくれていました。

・全体として、生い立ちから最後までストーリー的な展開が感じられ、番組の1時間がとても短く感じられる作りであり、よかったと思う。

・最後に河合氏のコメントで「この二人が出会っていなかったら、おそらく明治維新はなかった」というのがあったが、それだけ歴史に大きく影響を与えた二人であったことがわかったし、あのコメントにより、二人の功績の余韻が番組終了後も残る感覚につながった。

・番組の最後に、長野県の象山神社に松陰ら弟子の銅像が設けられたことや象山の教えを学ぶ講座があること、萩市の明倫小学校では松陰の言葉を暗唱しているなど、現在も二人の教えが受け継がれていることを紹介したところは秀逸でした。山口、長野の両県以外の視聴者にもぜひ視聴していただきたい番組だったと、私は高く評価します。といった意見が出された。その一方で、

・残念だったのは、どこからが「再現イメージ」であるかが不明だったことである。歴史であるから、人物が「再現イメージ」であることは仕方がないが、「役者による再現」「人形による再現」「イラストレーションによる再現」の3者が混在していたことが、史実と再現との境界を不明瞭にしていた。特に、人形による再現シーンには違和感があった。

・MCの中村雅俊さんと解説の河合さんのやりとりはとても安定感があり、分かり易くとても良かったと思うが、途中で長野と山口からの質問は、両方とも不正解だったが、中継での質問でなく、後でとってつけたような感じになっていたので、いらない演出だったように感じた。

・MCの中村雅俊さん、歴史研究家の河合敦さんのトークの最後に「二人の出会いが化学反応を起こした」「二人が会っていなければ明治維新はなかった」等のやり取りがあったと思うが、それだけでは番組タイトルとした「史上最強の師弟」のニュアンスが伝わってこなかった。「史上最強」を裏付ける話を盛り込むなり、松陰と象山の師弟関係にもっと焦点を絞って表現してもよかったのではないかと、僭越ながら思いました。

という意見もあった。