番組審議会とは
放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の9名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。
委員長
福田百合子 (中原中也記念館名誉館長、山口県立大学名誉教授)
副委員長
佐藤國憲 (防府商工会議所顧問)
委員
藤田敏彦(富士商株式会社 会長)
矢野道代(矢野健康体操研究会会長)
吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 准教授)
稲井良介(朝日新聞山口総局長)
西生公一(山口県総合企画部次長)
酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
黒神直大(遠石八幡宮宮司、周南市体育協会会長)
第223回 放送番組審議会
概要
開催年月日 | 2015年11月24日(火) |
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開催場所 | 山口朝日放送本社 役員会議室 |
出席委員名 | 福田百合子委員長、佐藤國憲副委員長、藤田敏彦委員、矢野道代委員、 |
会社側出席者 | 代表取締役社長 渡辺興二郎、常務取締役 岡田伸之、 |
議事録
課題番組の「テレビ朝日系列中四国ブロック特別番組 幕末サムライ番長高杉晋作のブッちぎり人生 ~面白きこともなき世に面白く~」について審議が行われました。
- この番組は、歴史的な事実というより、高杉晋作の人間性や人柄にスポットを当てていて、知らないことも多かったので、非常に面白く感じた。また、晋作の亡くなった年と自分の生まれた年100年ぐらいしか違わないことを知って、自分と晋作の人生を重ねながら見ることができた。
- エピソードを中心にテンポよく組み立てられていて、たいへん面白い番組に仕上げられていた。一坂太郎さんの解説も新しい切り口・視点でなされていて、非常に興味深く、再認識させられることが数多くあった。
- 面白きこともなき「世に」なのか、「世を」なのかという問題について、番組は「世に」だという結論を出していたが、番組全体を通して見ると、その結論が本当に腑に落ちた。
- 的場浩司さんは、その目付きや風貌から、高杉晋作の案内人として、とてもふさわしい起用だったと思う。
- 一坂太郎さんの解説は、いろいろな指摘や推理を述べる際に、根拠を簡潔かつ的確に挟んでいた。そのため、解説が非常に納得できるものに感じられて、たいへん良かった。
- 中野信子さんの話を入れた番組の展開を、たいへん興味深く思った。はじめて高杉晋作の性格・人柄に気づかされたし、今までとは違う高杉晋作像を世に打ち出したのではないか。
- 高杉晋作は27歳ぐらいで亡くなっているので、的場浩司さんよりもっと年齢の若い25、6歳ぐらいの人が、自分と同じ年齢のときに晋作はこんなことをしたのか、というような視点から話してもらうと、もっと良かったのではないか。
- 的場浩司さんのTシャツ姿には少し違和感を持った。また脳科学者の中野信子さんは、番組にバラエティ的要素を多くするために起用したのだろうかと思った。
- 金毘羅さんや芝居小屋の証言は、それを出すと、ほかの話も疑ってしまうようなことになるので、かえって無いほうがよかったと思う。
- 高杉晋作の行動には、分かりにくいところや、誤解を招くところがあるので、彼をそうした行動に駆り立てた背景・プロセズを、視聴者に理解させるような一面も欲しかったと思う。
- ナレーションが煽っているような感じがして、たいへん気になった。ナレーションの雰囲気を変えるだけで、まったく性格の違う番組になったのではないかと思う。
- 的場浩司さんを主役に、山口を舞台にしたドラマにしてほしかった。そのほうが高杉晋作の魅力が伝わってくるような気がする。
- 中野信子さんの話の中で、「属性」の意味が分かりにくかったが、それは制作者側がインタビューの全体を切り離して編集したことによるのではないか。視聴者に理解させるためには、もう少しそのあたりの丁寧な説明が必要なのではないかと思った。
- 最後にまとめとして、現代の若者へのメッセージのようなものがあったら、歴史に詳しくない人たちにも、もっと番組に対する理解が深められたのではないかと思った。
といった意見も出された。
次回開催日は2016年1月26日です。