番組審議会とは
放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の9名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。
委員長
福田百合子 (中原中也記念館名誉館長、山口県立大学名誉教授)
副委員長
佐藤國憲 (防府商工会議所顧問)
委員
藤田敏彦(富士商株式会社 会長)
矢野道代(矢野健康体操研究会会長)
吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 准教授)
稲井良介(朝日新聞山口総局長)
酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
黒神直大(遠石八幡宮宮司、周南市体育協会会長)
北村敏克(山口県総合企画部次長)
第229回 放送番組審議会
概要
開催年月日 | 2016年06月28日(火) |
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開催場所 | 山口朝日放送本社 役員会議室 |
出席委員名 | 福田百合子委員長、佐藤國憲副委員長、藤田敏彦委員、矢野道代委員、 |
会社側出席者 | 代表取締役社長 渡辺興二郎、常務取締役 岡田伸之、 |
議事録
①課題の「テレビ朝日系列の報道について思うこと・望むこと」について審議が行われました。
- 舛添東京都知事の政治資金問題では、①公器であるテレビの使命として、真相の徹底解明までやってもらいたい。②政治資金規正法の改正に向けて、テレビが世論を喚起してもらいたい。③3代続いた都知事の任期途中の辞任という事を教訓に、首長に事ある時は、副首長が残存期間、職務執行ができるように、首長・副首長をセットで選出するという公職選挙法に改正するよう、テレビが一石を投じて欲しい。
- 震災報道については、時々刻々と事態が変化しているので、その段階に応じて流すべき必要な情報は変わっていくべきだと思う。初期の段階、次の段階に有益な報道は何かということを、系列ごとに共通の問題として議論すべきではないかと思う。
- 報道は、なるべく主観を排して、客観的に事実を伝えることが必要だと思う。賛成と反対が拮抗している問題については、それを最終的に判断するのは視聴者なので、その両方の意見を伝えることが、報道のあるべき姿ではないかと思う。
- 舛添東京都知事の報道もそうだが、最近は週刊誌からネタが出てきて、そこにテレビの報道番組やバラエティ番組が乗っかってしまい、結局、本質的な解決を何もしないで終わってしまうというのは納得がいかない。メディアとしてきちんと筋を通して欲しいと思う。
- 震災報道については、日本人の国民性が非常によく表れていたと思う。取材記者は取材に行っているのであって、ボランティアをしているのではないと分かっていても、何か助けてあげたいという気持ちがとてもよく伝わってきた。納得できる温かな報道だったと思う。
- 報道の自由の危機に関しては、海外でも「フリーダム・フォーラム」やパリの「国境なき記者団」によって長年指摘されており、4月には国連の人権査察団のデビット・ケイ氏が、日本の報道の自由が危ないということで調査に来日したが、それは一部でしか報道されなくて、あまり話題にならなかった。そのあたりがいちばん問題なのではないかと思う。
- 放送法第4条の4には、「意見の対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」とある。つまり、政府発表だけでなく、反対意見があるときは、必ずそれを取材して報道しなくてはいけない、ということが一つの理念として書かれている。それにもかかわらず、政府の発表を報道するだけで終わってしまっているものが多いような感じがする。
- 若い人に訴える報道番組が少ないように思う。今回の参院選から18歳以上に選挙権があることになったが、あまり盛り上がっているように見えない。「朝まで生テレビ!」のあるテレビ朝日系列ならば、若者が政治に興味を持つような報道番組ができるのではないかと思う。
- テレビ朝日のBS放送の報道番組は「いま世界は」しかないが、BS放送を上手に利用して、もっと若者が見るような討論番組的なものがあったらいいのではないかと思う。
- 高市総務大臣の停波発言は、そんな突飛なことではないと思う。世の中の事業者はすべて法律で指導、監督されているわけで、相手がマスコミだったから大げさに扱われたのではないかという感じがする。
- これからは国民が自ら考えて判断できるようにするための報道が重要だと思う。その意味で、この報道番組がいちばんバランス感覚がよくて、自分が物事を考えるなら、この番組を見て判断したい、と視聴者に思ってもらえるような番組の作り方を検討していくべきではないかと思う。
次回開催日は2016年7月26日(火)です。