番組審議会とは
放送番組審議会は、放送のもつ公共的使命、放送番組の適正を審査し、番組向上を図ろうという機関です。
yabの放送番組審議会は、県内在住の9名の皆さんで構成され8月と12月をのぞき、毎月1回の定例会として行われています。
委員長
福田百合子 (中原中也記念館名誉館長、山口県立大学名誉教授)
副委員長
佐藤國憲 (防府商工会議所顧問)
委員
藤田敏彦(富士商株式会社 会長)
矢野道代(矢野健康体操研究会会長)
吉本秀子(山口県立大学国際文化学部 准教授)
樫村伸哉(朝日新聞山口総局長)
酒田義矢(ユーピーアール株式会社 社長)
黒神直大(遠石八幡宮宮司、周南市体育協会会長)
福田浩治(山口県総合企画部次長)
第241回 放送番組審議会
概要
開催年月日 | 2017年09月26日(火) |
---|---|
開催場所 | 山口朝日放送本社 役員会議室 |
出席委員名 | 福田百合子委員長 |
会社側出席者 | 代表取締役社長 天野尚彦 |
議事録
課題番組である「ほほえみの彼方に ~90歳ヒバクシャ 大内人形を描く~」について意見交換が行われ、おおむね次のような意見が出された。
・特に反戦ということではなく、小笠原さんは経験したことを淡々と話しているけれども、通称「赤れんが」の場面など、ここで多くの人が亡くなったということが、画面からひしひしと伝わってきて、恐ろしいような気がして、小笠原さんが実体験したことが、非常によく伝わってくる内容だった。
・番組は、戦争の記憶をきちんと描きながら、しかも芸術活動や大内人形についてもバランスよく描かれていて、たいへん良かったと思う。
・ナレーターの大和良子さんの声が、硬質な感じで、しかもさりげなくて、番組の内容によく合っていたように思う。また、モーツァルトの「レクイエム」がBGMに効果的に使われていたのも良かったと思う。
・600年も前から伝わってきている大内塗を前面に出しながら、72年前の広島の原爆を巧みに織り交ぜ、小笠原さんの被爆体験を、彼自身の言葉で、非常にリアルに、しかもシンプルに伝えていたと思う。
・小笠原さんが「音も臭いも声も感じないと分からない」と言ったのは、テレビや新聞などのメディアに挑戦状を叩きつけたような気がした。それに対して、yabの番組制作者が、小笠原さんの体験をどう伝えるかという挑戦をして、すばらしい番組を作ったような感じがした。
といった意見が出された。その一方で、
・90歳の小笠原さんに、大内人形の後継者がいるのかどうか気になった。そういった今後の問題についての話もあったら、さらに良かったと思う。
・小笠原さんという職人が作業をするときの、熟練した手つき、リズム感などを、正面や背中あるいは手首の動きなど、体全体を通して、カメラで表現してほしかった。
・小笠原さんには、放射線を浴びたことへのさまざまな不安もあることだろうと思われる。そうしたシーンなどもあったら、被爆者の戦後72年間の重い年月というものが、より深く伝わってきたのではないかと思った。
という意見もあった。
次回開催日は、2017年10月31日です。