のイキイキ!山口
#255『海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~』
萩市の県立萩美術館・浦上記念館で開催中の、
古伊万里をテーマにした特別展示についてご紹介します。
オーストリア・ウイーン近郊のロースドルフ城が所蔵する
古伊万里などの陶磁器コレクションを展示しています。
城主・ピアッティ家により古くから大切に伝えられてきた古伊万里は、
第二次世界大戦の戦禍の中で、その多くが旧ソ連軍の兵士により破壊されてしまいました。
その陶片は「戦争遺産」として現代まで大切に保管され、
城主は平和への願いを込めてそれら陶片を、城内で一般公開してきました。
今回オーストリア以外で展示するのは、初めてとなります。
展示は破片だけでなく、破片を集め修復したものも多く展示されています。
復元を担当した繭山浩二(まゆやま・こうじ)さんの手により、
可能な限り元の姿に近づけるように修復された作品を楽しめます。
現地を訪れ、日本に持ち帰り一つ一つのかけらを洗って、
特別な技術で組み立てていく、修復の過程も展示の中で紹介されています。
日本からヨーロッパへ海を渡った古伊万里が帰ってきました。
貴重な作品の数々を、ぜひご覧ください。