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#327「文書館で古文書の読み方を学ぼう」

山口市にある山口県文書館は日本で最初にできた公立の文書館で、
県の歴史に関する貴重な文書(もんじょ)や地図などおよそ53万点が保存されています。

館内には県内各地の昔の地図のほか、
萩藩や徳山藩の記録、明治時代以来の山口県庁の文書など、
山口県の歴史に関するさまざまな資料を保存していて、
最も古いものは鎌倉時代にまでさかのぼります。

これらの史料は手続きをすれば誰でも見ることができますが、
「くずし字」で書かれた古い資料が多いので読み解くためには勉強が必要です。
県ではこれらの資料を多くの人に読んでもらうために「古文書講座」を開いています。

江戸時代前期、1690年代の山口市の絵図を使って講座の一部を紹介します。
五重塔があるのが瑠璃光寺で、その隣を通る道に何と書いてあるか読んでみます。
最初の字が「萩」、最後の字が「道」というのはわかると思います。
「萩」の字の下にある、小さい点みたいなのがひらがなの「へ」で、
次の字、左側が「ぎょうにんべん」ですので「萩へ行く道」となります。

今度は萩藩の記録、徳川五代将軍綱吉が出した「生類憐みの令」に関する通知の写しです。
「犬」「猫」という字のすぐ下、これは平仮名で、「たとへ」と書いてあるんです。
平仮名は漢字を基にしてできていて「た」は多い・少ないの「多」の字が、
「と」は「止まる」の字が、「へ」は、部屋の「部(へ)」の字が、基になっています。

県文書館では「入門」から「発展」まで、読解力に応じて4つの講座を用意しています。
まだ読み解かれていない資料もたくさんありますので、
ぜひ講座を受けて資料の読み方を学び新しい発見をしてみてください。

【お問い合わせ】
山口県文書館
TEL:083-924-2116 
FAX:083-924-2117