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#180 文書館開館60周年記念アーカイブズウィーク

県内の歴史や文化に関する貴重な資料や記録を保存している施設、
山口県文書館(もんじょかん)が、今年で開館60周年を迎えます。
今回は、その文書館が毎年6月に開催している恒例イベント「アーカイブズウィーク」についてご紹介します。

山口市後河原(うしろがわら)の県立図書館内にある「文書館」。
長州藩の藩主であった毛利家から、
およそ5万点の毛利家文庫が県に寄託されたことをきっかけに、
昭34年に開館しました。
これ以後、山口県の歴史に関わる古文書(こもんじょ)や
県の歴史的な公文書を収集・保存し、その公開を行っています。
現在、文書館には、鎌倉時代から現代までの歴史資料、
およそ55万点が保存されています。

こちらは地下にある書庫です。
貴重な文書(もんじょ)や記録が保管されているため、
温度と湿度が厳しく管理されています。
図書館と違い、1点しかない資料がほとんどで、
必要に応じてこの書庫から職員が取り出し、閲覧する形が取られています。

文書館では毎年6月に
「アーカイブズウィーク」のイベントを開催しています。
60周年の今年は「情報と記録 〜つたえる つなぐ 文書館〜」と題して、
山口県の歴史の中で、個人や組織がどのように情報や記録を
集め、伝え、残してきたのかを、当館の所蔵資料を通してご紹介します。
当館が全国に誇る長州藩と
徳山藩の膨大な資料の歴史を解説する歴史探究講座のほか、
毎年好評の「書庫見学ツアー」やギャラリートークなども予定しています。
詳しい日程はホームページなどでご確認ください。

今回展示される所蔵資料の一部をご紹介しましょう。

①<県政だより 特集号>
はい、山口県では戦後早い段階から、
県民への広報活動に力を入れてきました。
こちらは昭和20年代後半から毎月発行していた「県政だより」のポスターです。
こういった手書き印刷のポスターで県の取り組みをお知らせしていました。

②<興隆寺証文筥(はこ)蓋(ふた)裏(うら)銘(めい)>
こちらは、室町・戦国時代の大名大内氏の氏寺興隆寺で使われていた文書箱の裏書きです。
ここには、大内氏に関わる大切な文書を、
どのように保存するかというルールが記されています。

③<大正2年山口県統計書第三編(勧業)>
こちらは、大正時代に山口県が作成した統計資料です。
県内の海産物の漁獲量や価格の変動を、
波をイメージした折れ線グラフにし、それを船の帆に描いて表現しています。
こういった遊び心で、資料を親しみやすいものにしていたのです。

文書館のアーカイブズウィーク『情報と記録 〜つたえる つなぐ 文書館』は
6月1日から9日までの開催で、入場は無料です。
このうち、アーカイブズ展示は、8日・9日の2日間です。
山口県内の貴重な資料が、どのように集められ、受け継がれ、活用されてきたかをぜひご覧ください。