【知っちょこ】今こそ舌下免疫療法
「40年間、薬を飲んでも治らなかった」
スギ花粉が終わった今こそ、治療を始めるタイミング

「鼻水がもうひどくて、目もかゆい、夜寝れない。もうこの負のループなんですよ」
そう打ち明けたのは、Jチャンやまぐちのスタッフ。
市販薬を飲み続けても、40年近く花粉症に悩まされてきたといいます。
春のスギ花粉シーズンが過ぎたいま、なぜ「花粉症の治療」を取り上げるのか。
その答えを探りました。
スギが飛んでいる時期には、スギエキスをさらに取るわけにはいかない

スタッフがたどり着いたのが、「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」です。
耳鼻咽喉科の堀健志院長は、こう説明します。
「スギにアレルギー反応を示す人に、わざわざスギのエキスを飲んでもらうわけですから、
アレルギー反応が強く出る可能性がある。
だからスギが飛んでいる時期に、さらにスギエキスまで取るとなると
症状がきつく出る可能性がありますので、スギが終わってから6月ぐらいからにしましょう、
ということにしています」
まさに、今がそのタイミングなのです。
指先の血液一滴で、41種類のアレルゲンを判定

治療を始める前に、まず確認しなければならないことがあります。
本当にスギ花粉でアレルギー反応が出ているのか——。
検査に使われるのは「ドロップスクリーン」という機器です。
看護師が指先にわずかに針を刺し、にじみ出た血液をスポイトで採取。
それだけで終わりです。ダニや花粉、食物など41種類のアレルゲンを簡易的に判定できます。
「全然痛くない」とスタッフ。「一瞬で終わる」と看護師が微笑みました。
30分後、結果が出ました。
「スギがクラス4。0が一番低く、6が一番高い。
真ん中よりちょっと上ですから、反応は少し強めかなと思います」と堀院長。

ただし注意点があります。
判定のクラスが高くても、必ずひどい症状が出るわけではありません。
スギ花粉を体内に取り込まない環境であれば、治療が必要ないこともあります。
このスタッフの場合は、市販薬を飲んでも40年近く悩まされ続けてきた。
だからこそ、次のステップへ進むことにしました。
舌の下に薬を置いて、1分間、待つだけ

舌下免疫療法で使われる薬は「シダキュア」。
市場で最も多く処方されているスギ花粉の治療薬です。
使い方はシンプルです。薬を指に乗せ、すぐに舌の裏側へ。
唾液で溶けた薬が、口腔底の粘膜からじわじわと染み込んでいきます。
最初の1週間はエキスの少ない量からスタートし、体をならします。
その後は一定量のエキスが入った薬を、毎日飲み続けます。
「錠剤とも違って、なめらかに溶けていく感じ。味も全然わからない」とスタッフが驚くと、
堀院長は「味はないですよね。だからお子さんでも全然大丈夫ですよ」と答えました。
初めて飲む際は、医師の前で服用し、1分間は話さずに薬が溶けるのを待ちます。
その後、強いアレルギー反応が出ないか、30分間は院内で様子を見るとのことです。

この治療を受けられるのは、スギ花粉症またはダニのアレルギー性鼻炎の症状を持つ、
5歳から65歳までの人です。
3年続ければ、「薬いらずの生活」が手に入る

シーズン中の薬物療法が「炎症を抑えて緩和する」対症療法であるのに対し、
舌下免疫療法は「体質そのものを変えていく」治療です。
堀院長はこう語ります。
「目指すところは、スギ花粉が来るシーズンでも、
アレルギーの薬や点鼻薬、点眼薬が必要ない生活を手に入れることです。
3年間頑張った方は、そこでやめてしまっても向こう数年間はお薬いらずで過ごせる方が多い。
4年、5年と長くやれば、その効果がさらに長く続くこともあります」

「少し毎日やるのは大変かもしれないけど、
その先にいい生活が待っていると思えば頑張れるかな」
そう話す堀院長の言葉は、何種類もの薬を試してきても効果がなかったという患者たちへの、
静かなエールのように聞こえました。
費用は保険適用。市販薬と比べても「変わらないかも」

気になる費用についても確認しました。
この治療は保険適用されます。初回はアレルギー検査を含めておよそ5,000円ほど。
その後は月々2,000円〜3,000円程度です。
自治体によっては、こども医療費助成制度を利用でき、
小学生から高校生世代は無料になる場合もあります。
市販薬を買い続けるトータルコストを考えると、
「あまり変わらない、もしくは安くなる場合もある」とのことです。
来年の花粉シーズンに向けて、少しでも楽に過ごしたいと思われた方は、
一度病院に連絡を取ってみることをおすすめします。


