Jチャンやまぐち

【知っちょこ】「諦めたらダメ」お掃除のプロが教える、黒カビの早期撃退法

「見て見ぬふりをしてお風呂に入っている」
そう苦笑いで打ち明けたのは、取材を受けたスタッフのひとりです。
お風呂のフタ、蛇口まわり、ゴムパッキン。
気づいたときにはいつの間にか黒ずんでいる、あのカビの話です。
梅雨が明けてもなお、カビが育ちやすい高温多湿の季節は9月まで続きます。
Jチャンやまぐちのコーナー「知っちょこ!」では、
津山奈穂子リポーターがお掃除のプロとともに、
黒カビの正体から取り除き方、そして予防まで徹底解説しました。


「シュッとしても、すぐできる」街の声に共感の嵐

街でインタビューすると、カビへの悩みはみな共通していました。
「窓拭きとか、ワイパーみたいなやつで風呂を出るときに壁をシューってやって、
除湿機を中に入れてピッてやっとけばカビないので、そこはOKです」と
自信ありげに話す男性がいる一方で、
「パッキンがしてあるところにカビが出るので、
見つけたらカビキラーでそのたびに都度除去するみたいな」と地道な戦いを続ける女性も。

若い学生は「たまに気づいたらシュッとするやつをやってます。
やっても、すぐやっぱりできますね」と苦笑い。
対策はしているのに追いつかない、そんな実感を多くの人が抱えていました。

カビの胞子は「条件がそろえば発生する」
そもそも、カビはどこからやってくるのでしょうか。

プロは「カビの胞子というのは、土の中とか植物、本当にいろんなところにあります。
人の動きだとか、衣類についたりしたものが部屋の中に侵入してくる形になります。
胞子はちっちゃくて見えないので、いろんなところに浮遊して、
条件がそろったところで発生するんです」と説明します。
その条件とは、温度25〜28度、湿度70〜80%、ほこりや皮脂などの養分、そして空気です。
これらがそろったとき、カビは一気に増殖します。
浴室はまさに、その条件が揃いやすい場所です。
梅雨が明けたからといって安心はできません。
台風などの影響で高温多湿は続き、9月までは「生やさない、増殖させない」対策が必要です。


「早め早めの対処が必要。諦めたらダメなんです」

では、すでに生えてしまったカビはどうすればいいのでしょうか。
プロいわく、金属やツルツルした素材に付いたカビは比較的取れやすい。
しかしゴムパッキンは別物です。
「カビが発生したタイミングにもよるんですけど、
早く対処すれば取れることもあるんですが、なかなか取れないのが現実です」。
時間が経てばプロでも手こずる。だからこそ、早期対処が何より重要なのです。


30年もののカビだらけ換気扇カバーに、プロが挑んだ

取材中、スタッフが「ちょっと汚いの持ってきたんですけど、うちの家から」と取り出したのは、
30年以上使っている風呂場の換気扇カバーでした。

去年の年末に重曹で洗ったものの、黒い斑点に気づきながら放置。
半年で黒カビだらけになってしまったというものです。
プロは「プラスチックの部分でツルツルしているので、洗剤を使えば取りやすいかなと思います。
ただ、変色している部分はそのままになってしまうんですが、
ある程度のカビは取れると思います」と一言。
まだ諦めなくていい、という言葉に取材スタッフも表情をほぐしました。


カビ取り剤の前に「中性洗剤でひと洗い」が鍵

カビ取り剤を使う前に、あるひと手間があります。
お皿などを洗う中性洗剤で、まず表面の汚れを落とすことです。
水垢やほこりをあらかじめ取り除いておくことで、
カビ取り剤がカビそのものに届きやすくなります。

水分を拭き取ったあと、換気をしながらカビ取り剤を使用します。
このとき、スプレーを直接たっぷりかけるのはNGです。
「スプレーで直接シュッシュすると経済的にいっぱい使うことになるので、
2プッシュぐらいで全体になじませてあげた方がいい」とプロはアドバイスします。
手やブラシで全体になじませるのがポイントで、カビ取り剤の節約にもなります。


「ゴシゴシ洗い禁物」最後のブラシは”かき出す”だけ

カビ取り剤を使ったあとのブラシがけも、やり方次第です。


最後のブラシは「カビを落とす」ためではなく、
「浮いた汚れを優しくかき出す」ためのものです。ゴシゴシと力を入れて洗うのは禁物。
しっかり水洗いして水分を拭き取ると、換気扇カバーはほぼ新品のような仕上がりになりました。
「持ち主として感動しています」とスタッフが声を上げたほどです。
なお、カビ取り剤によって使い方や放置時間は異なるため、
取り扱いの表示をよく読んで使ってください。


ゴムパッキンには「湿布法」で浸透させる

取りにくいと言われるゴムパッキンには、専用のアプローチが必要です。

パッキン素材には無数の穴が開いていて、そこにカビが根を張ると落ちにくくなります。
だからこそ、早めの撃退が大切です。
対処法は「湿布法」です。中性洗剤で汚れを落としたあと、カビ取り剤をスプレーします。
その上からラップやキッチンペーパーをかぶせ、
さらにシュッシュッとスプレーして蒸発を防ぎながら浸透させます。
少し時間を置くと、カビの黒ずみはかなり薄くなります。


「入浴直後の窓開けはNG」正しい換気の方法
カビを防ぐためには、換気も重要なポイントです。
しかし、やり方を間違えている人が多いと言います。

「窓を開けて換気される方が多いんですが、窓を開けることで外から胞子が入ってくるので、
カビが発生する条件に当てはまってしまいます。
窓を閉めた状態で換気扇を回すのがベストです」とプロは強調します。
窓を開けるタイミングは、換気扇で湿度を十分に下げ、壁などがしっかり乾いてから。
このちょっとした心がけで、カビの発生リスクは大きく下がります。


今日からできる4つのカビ予防習慣

最後に、日々の入浴後に実践したいカビ対策をまとめて紹介します。

● 最後に入浴した人が、腰ぐらいの高さの壁などにシャワーで水またはお湯をかけて汚れを流す
● スクイジーやタオルで水気をしっかり取る
● 窓を閉めた状態で換気扇を長時間回す
● 洗濯に残り湯を使うまでは、風呂蓋をしておく
シャワーで石けんの飛び散りを落として温度を下げるだけでも、
カビが生えにくい環境に近づきます。
「見て見ぬふり」を繰り返せば、やがてプロでも手こずるカビになってしまいます。
「諦めたらダメ」――プロのその言葉が、何より的を射ています。