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やまぐちの底力  「柚子屋本店」

萩市にある柚子屋本店。
ダイダイや柚子、夏ミカンなど柑橘類の加工品を製造・販売しています。
店内には「ジュース」「マーマレード」「ポン酢」「柚子胡椒」など
およそ30種類の商品が並びます。

柚子屋本店の代表は、金史一社長(42)。
こだわりは、添加物を使わない商品作り。
素材本来の味を食卓に届けることです。

果汁のおいしさの秘密は、
柑橘類を搾る「搾汁」の工程にあります。
機械を手搾りに近い低圧に設定し少しずつ丁寧に搾っていきます。

金社長
「収率を追いかけようと思えば、まだまだ果汁が取れるんですけど、
搾りかすからも手で搾ると果汁が出るくらいで止めるのは
えぐみを極力なくした果汁を搾っている」

機械ではできない繊細な作業は
従業員がひとつひとつ手作業で行います。
おいしさの追求のために手間暇を惜しまないのが
柚子屋本店のこだわりです。

柚子屋本店の創業は1978年。
社長の父である先代がダイダイ果汁を生産・販売したのが始まりでした。

添加物を使わない自然由来の製品づくりは
開業当初からのコンセプトでした。
そうした味へのこだわりが消費者に支持された一方で、
2000年代になると自社農園の整備や工場を併設した新社屋の建設など
設備投資を先行した結果、多額の負債を抱えることになります。

2008年に会社を引き継いだ現在の社長は
山口地裁に民事再生法の適用を申請しました。
負債総額は3億6千万円余りでした。

金社長
「借入金の額を圧縮して、それを10年返済するということで
再生計画の認可をもらいました」

事業を継続しながら
経営再建を目指すことになった柚子屋本店に転機が訪れます。
「海外市場への挑戦」です。
まずは、海外レストランのシェフらが新たな食材を求めて訪れる展示会に
柚子屋本店の「ユズ果汁」を出展しました。

金社長
「右も左もわからずトライしてみようと思っていたんですけど、
味については非常に評価が高かったんです」

搾汁方法にこだわった柚子屋本店のユズ果汁は
海外でも高い評価を受け、
近年の日本食ブームを追い風に
柚子屋本店の「海外輸出」は順調に業績を伸ばしていきました。

その間、金社長は
海外の取引先からの信用を得るための企業努力も怠りませんでした。
厳格な審査をクリアしなければならない
食の安全に関する国際規格の認証を受けたほか
イスラム教徒が安心して食べられることを証明する「ハラール認証」を取得。

金社長
「ムスリムの方々が、世界の人口の5分の1くらいいる。
そういったマーケットにも挑戦してみたい」

海外市場での高い信頼を得た柚子屋本店の商品は
現在、世界40か国に輸出されています。
2019年度の海外輸出額は3億4千万円。
売り上げ全体の約6割を占めています。

海外市場への挑戦をきっかけに、
10年前に比べ売り上げを2倍以上に伸ばした柚子屋本店。
2018年には民事再生による債務を2年前倒しで完済しました。

金社長
「今後はユズ果汁だけに限らず、他の調味料やマーマレードも
世界の方に味を見ていただきたいですし挑戦してみたい」

【問い合わせ先】
萩市椿東字奈古屋1189
TEL 0838-25-7511
https://www.e-yuzuya.com/

※商品は、本社に併設された直売店で購入できるほか
ホームページからも購入できます。