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やまぐちの底力 周南クオーツ
周南市鹿野にある周南クオーツは、
中四国で唯一、石英ガラスの加工・販売を行っている会社だ。
社員は10人。
このうち4人は石英ガラスの加工に携わって25年以上のベテラン職人。
社長の益田進さん(55)も職人の1人。
石英ガラスとは、水晶を原料とするガラスで、半導体製品の製造過程で使われる。
不純物がほとんどなく、熱に強い、化学薬品に強い、光をよく通す、というのが特徴だ。
ICチップといった半導体製品を作る過程では、部品を高温で熱しながら
化学薬品で処理する工程があるため、石英ガラスが必ず必要になる。
石英ガラス製品は、最終的に装置に組み込まれて使用されるので、
装置に合わせて1ミリの誤差も無いように作らなければならない。
職人には部品同士を溶接する際、火をあてる時間、距離感など
経験と繊細な感覚が求められる。
周南クオーツの強みは、正確な技術と早さ。
大手メーカーの半分の納期で、同じ質のものを提供できるという。
益田社長は
「零細企業が勝ち残るためには短納期対応でお客さんに喜んでもらわないといけない」
と話す。
その技術力を応用して7年前に作ったのが「玻璃鹿」(はりか)。
中国・四国地方のデザイナーと協力して作り上げた商品ブランドだ。
鹿野で生まれ育った益田さんが周南クオーツを創業したのは、今から11年前。
県外に住んでいた益田さんがUターンして目にしたのは人の数が減ったふるさとの姿。
今は鹿野を元気にするため地域のイベントなどに積極的に参加するほか、
地元の高校を卒業した若者を採用するなど雇用の受け皿にもなっている。
益田社長は
「細く長く100年でも200年でも周南クオーツを続けたい。
地域密着型のブランド作品を作るのが次の夢。」
と目を輝かせて語った。
★周南クオーツ
■住所:周南市大字鹿野下1385-3
■電話:0834-68-3822