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やまぐち未来人「車いすバスケを身近に、山口オーシャンズ 安達颯真(あだち そうま)選手」
車いすを自由自在に操り、コートを駆ける。
車いすバスケットボールの安達颯真選手(20)です。
周南市出身の安達選手は、社会人チーム「山口オーシャンズ」に所属。
県内を拠点に練習に励んでいます。
安達選手:「一番好きなのはフェイントとかで、
自分の思い描いた戦術が実際に再現出来たら僕はすごく楽しいです」
2019年、2020年と2年続けて、日本車いすバスケットボール協会の
強化育成選手に選ばれた、期待の若手選手です。
安達選手には、神経線維種症Ⅰ型という先天性の難病があります。
骨や目などに異変が生じる病気で、安達選手は左足の骨がもろく、
右足と比べると長さが11センチほど短い状態で成長が止まっています。
病気が分かったのは2歳のころ。
度重なる手術と入院生活のなか、
中学2年生のときに出会ったのが車いすバスケでした。
安達選手:「入院中にリハビリ室の本棚で『リアル』っていう
車いすバスケの漫画を読んで、そこから始めたいなということで。」
車いすバスケでは選手ひとりひとりに「持ち点」が与えられています。
点数は障害の重さによって5段階に分けられ、
コートに出る選手の合計点を14点以下にしなければなりません。
そのため選手の組み合わせが戦略に直結します。
障害の程度が軽い安達選手の持ち点は、一番大きい4.5点です。
安達選手:「自分がチームの中で一番動ける存在でないといけないので、
そこは自分もチームを引っ張っていくという意識をして
いつもプレーしています。」
朝日がようやく顔を出すころ。安達選手は周南市の港にいました。
仕事とバスケの練習が休みの日は、趣味の釣りなどをして過ごすという安達選手。
私生活では去年7月に結婚したばかりです。
車いすバスケを続けて5年目。続けるのは「壁がないから」だと言います。
安達選手:「いままで健常者のスポーツとかもちょっとやっていたのですけど、
どうしてもやっぱり超えられない壁と言いますか、
足が悪いので走ったりとかそういうのが厳しい。
障害者スポーツ・車いすバスケっていうのはそういった壁がなく、
自分が対等に勝負出来るスポーツなので好きで続けられていますね。」
安達選手は現在、ハタチ。選手としてさらなる成長とともに、
車いすバスケがもっと身近なものになればと感じています。
安達選手:「個人としての目標は技術面でもそうですし
メンタル面でもいまよりさらにステップアップして成長していくことがまずひとつ。
まだ山口県内で車いすバスケという競技を知らない、
知っているけどイメージがわかない方がいると思うので、
そうした方に興味を持っていただいて、
さらに車いすバスケを普及していけたらいいなと思っています。
パラスポーツを知らない障害者の方たちがまだまだいると思う。
本当は出来るような状態なのに何もスポーツをせずに、
くすぶっている人たちがどうしてもいると思う。
そうした方にスポーツの楽しさを知っていただいて
さらに今より前向きに生きていただきたい。」