のJチャンやまぐち
【知っちょこ】「業者丸投げで高額出費」——実家の片づけ、感情と向き合いながら進めるコツ

「業者丸投げ(泣)」——。
そう書かれたノートを掲げたのは、
山口朝日放送「Jチャンやまぐち」の津山奈穂子リポーターです。
自身の実家じまいで処分する物の多さに直面し、業者に頼らざるを得なかった経験から、
高額出費を余儀なくされたといいます。
「早くから片付けておけば…」と痛感した津山リポーターが、
お掃除のプロを訪ねてヒントを聞いてきました。
「どれが正解というのはない」——まず衛生・安全面から

片づけのプロの矢吹さんは、こう語ります。
「本当にケースバイケースですし、どれが正解というのはないんですけれども」
ただ、親御さんの立場から考えると、
たくさんのものを管理する衛生面・安全面、
そして気持ち的に楽に暮らせるかどうかが大切だといいます。
「例えばリビングとか、一番よく使うところ——
食器や調理器具だったりとか、簡単にできるところから、
本当に毎日少しずつでも整理ができていくと、
次もやっていきたいような気持ちに変化してくることもありますので」
最初の一歩は、日常生活に直結する場所から。
小さな達成感の積み重ねが、次への動機づけになるのです。
片づけの手順は4ステップ——でも「感情」が邪魔をする
片づけの基本的な手順はシンプルです。
●エリアの物をすべて出す
●必要・不要・保留に仕分けする
●必要な物をさらに客観視して厳選するために並べる
●決めた場所に収める
ただ、津山リポーターが指摘するように
「感情が入ると仕分けって、なかなか進まない」のが現実です。
「回想療法」にもなるアルバムの片づけ

とりわけ悩ましいのが、アルバムです。
「私個人的にすごく大変だったのが、やっぱりアルバム。
白黒の写真もあったりとか、これどうしたものかなと最初迷ったんですが」と
津山リポーター自身も困惑したと振り返ります。
昔の分厚くて重いアルバムは、写真がページから剥がれないという問題もあります。
矢吹さんはこう提案します。
「写真だけが剥がれるということも少なくて、全部が剥がれそうになってしまったりするので、
それ自体を切り取って、必要なものを選んでいくのもいいかなと思います」
さらに重要なのは、一緒に作業することの意味です。
「そのときの情景が浮かんできたりとかするので、
特に高齢者は写真を見て回想療法というんですけれども、認知症の食い止めにもなりますので。
子世代の方が関わってあげて、楽しい時間を過ごしていかれるといいかなと思います」
写真が大量にある場合は、
1000枚、800枚と草取りのように少しずつ減らすことが継続のコツだといいます。
「捨てる」ではなく「生かす」——服の片づけで使える声かけ

アルバムと並んで困るのが、服です。
親御さんが若いころに着ていた服をどうするか迷っているときは、
「実際に着てみる?」「その服を着てどこかへ出かける?」と、
基準を”今”にした声かけが効果的だといいます。
実際に着てみると「今は似合わない」と本人が気づきやすく、
自然と手放してくれるかもしれません。
また、「もったいない」「いつか使うかも」という思いで手放せない場合は、
リユースショップやバザーへ出すことを提案してみましょう。
「誰かの役に立つ」という気持ちが、物を減らすきっかけになるはずです。
「価値観のギャップが相当あった」——Uターン息子の5年間

5年前に実家へUターンした椙山さんは、当時の廊下の様子をこう話します。
「もう本当に足の踏み場もない。
ほとんど使うことのない鍋だとか、やかんだとか、梅干しが入ったような容器だとか…
なぜこんなものがここにあるんだろうと」
亡くなった父親の遺品整理をきっかけに、80代の母親と片づけを始めました。
しかし百貨店の包装紙や紙袋、父の本など、あらゆる物が溜まりすぎて困惑したといいます。
「親の世代というのは、包み紙、紙ひも、
いろんなものをすべて取っておいて何かに使おうという世代ですから、
そことの価値観のギャップというのは相当あるなと」
「一方的に捨てて、何度も衝突」——それでもわかってきたこと
親が動けるうちにという焦りから、
椙山さんは一方的に物を捨て、何度も衝突を繰り返しました。
しかし次第に、なぜ母親の重い腰が上がらないのかが理解できてきたといいます。
「どうしても片づけというのが優先順位が低い。
ほっといても日常生活が困らなければ手が付けられないということになりがちなので、
そのときどきにきっかけを見つけては片づけていくというやり方もあるかなと思います」
消費期限が切れた食品など衛生面に関わるものは椙山さんの一存で捨てつつ、
親と相談すべき物とそうでない物のライン引きを、双方が納得しながら決めていきました。
「日頃から親が何を大切にしているのか、どのものが本当に必要なのかを、
よく会話の中で認識しておくということも必要かなと思います」
「終活」ではなく「今活」——片づけをポジティブにとらえる
「終活っていったら終わりみたいな感じ」と津山リポーターは言います。
しかし矢吹さんは言い換えます。
「今を楽しく楽に生きるために、今の片づけという感じで捉えていただければと思います」
“終活”ではなく“今活”——今を生きるための片づけ、という発想の転換です。
実家を生かすか、廃墟にするか。今の片づけが未来を決めるかもしれません。
高齢の親御さんとの片づけは、10分や30分でも少しずつ進めることが大切です。
うまく進まない場合は、整理収納アドバイザーの力を借りることも一つの選択肢です。
「いつやるの、今でしょ」——そんな気持ちで、まずは身近な引き出し一つから始めてみませんか。


