のJチャンやまぐち
【県民サーチ】「あっという間に1万円が飛んでいく」——値上げラッシュの陰で、あえて値下げを選んだ店がある
今月、年内最多となる4,923品目が値上げされました。
冷凍食品、調味料、お菓子——食卓に欠かせないものほど、価格が上がっていきます。
そんな重苦しい空気の中、「あえて値下げ」を打ち出す動きが広がっています。
Jチャンやまぐちの津山奈穂子リポーターが現場に足を運び、
お得な商品を探しながら、街の人たちに「値上げを実感する瞬間」を聞いてまわりました。
「30%オフ、150円です」——ディスカウントストアが仕掛けた”逆風の値下げ”

天井から吊り下げられた横断幕に「安さ365日。」の文字
ディスカウントストア「ミスターマックス」では今月、「値下げ断行」と銘打ち、
9月末まで500品目の値下げを実施しています。
店の一押しは、カップ麺。通常214円のところ、なんと約30%引きの150円。
マヨネーズは6.7%オフの301円。
ごま油は通常価格から約14%オフの646円(税込)。
スナック菓子は約25%オフの96円。

棚に並ぶごま油。大きく「599円(税込646円)」の値札
洗剤に至っては約27%オフの867円と、食品だけでなく日用品まで広く値下げされています。
「たくさん値上げされてる中の、この値下げは嬉しいですね」と
津山リポーターが伝えたように、買い物客の反応は上々でした。
なぜ、値下げできるのか?

買い物カゴに値下げされたカップ麺と箱入りの水。
60代の男性客が「安かったから」と話した。
多くの企業が値上げを余儀なくされる中、なぜミスターマックスは値下げできるのか。
担当者はこう説明しました。
「家電や医療品、日用雑貨など、
さまざまな商品を販売することで利益のほうも確保しております」。
利益率の高い商品を幅広く扱うことで収益を維持しつつ、食品などを安く提供する——
集客につなげたいという狙いも重なります。

レジに向かう買い物客たち。「500品目 値下げ!」
カートいっぱいにまとめ買いをしていた客は
「割引が多いので、お得な気がします」と話し、
ジュースを箱買いしていた男性は「こっちのほうが安かったよって奥さんと話して、
じゃあここに買いに来る。まとめて買うなら、2〜3000円は全然違う」と笑顔を見せました。
「あっという間に1万円が飛んでいく」——街の人が語る値上げの現実

カートを押す男性の手元。「値上げ 実感の瞬間は」
しかし、値下げを喜ぶ前に、まず今の暮らしの苦しさを聞いてほしい——
取材の中で、そんな声が続きました。
年金が主な収入だという男性は、
いつも2本買っていたお酒を今は1本で我慢しているといいます。
「一面札があっという間に飛んできますんでね。
好きなもんも、ちょっとこら、ごらんといけんです」。

棚前でインタビューを受ける30代男性。
「生活費を妻に渡しているが多めに渡さないと足りない」
30代、4人家族の男性は「家に入れる生活費が足りなくなってきて、
月で言ったら1万から2万ぐらいは増えてるんじゃないか」と話しました。
「上がるのはしょうがないと思ってる。私が稼ぐしかない」と、
静かに、しかし力強く言い切りました。

インタビューを受ける50代男性。「結構な金額になりそう」
定年後にバーを開いて1年8か月という男性は、
ウイスキーが一気に1,000円以上上がる現実に直面しながら、
メニューの価格はなるべく据え置き、お菓子やお茶のコストで調整しているといいます。
「好きでやってるんじゃなかったら、やっちゃおれんのかもしれませんね」。
その言葉には、笑いと諦めが混ざっていました。
子どもを持つ50代の女性は、新学期が始まり、
学校の用品やお弁当の食材費がかさんでいると打ち明けました。
「収入と上がっていくのがあんまり比例していないので。
もうちょっとお給料を上げてほしい」。
コンビニも動いた——おにぎり値下げ、3社が一斉に

スタジオのモニターに映し出されたコンビニ3社のおにぎり値下げ情報
ミスターマックスだけではありません。
コンビニ各社も、身近な商品の値下げに踏み切っています。
セブン-イレブンは、「手巻きおにぎり」2品を今月8日から19円値下げ。
ファミリーマートは22日から、「直巻きおむすび」4種類を11円値下げします。
ローソンは29日から、「手巻きおにぎり」全20品を10〜11円引きに。
「3000円以上の値下げ」——おせちにも驚きの動き

ローソンの「和風おせち三段重 極上」。
「3000円以上値下げ」の文字。
店頭受取3万9950円、宅配4万1550円
さらに、ローソンでは昨日から、おせちの予約受付が始まりました。
「和風おせち三段重 極上」が、去年より3,000円以上引き下げられて販売されます。
包装資材も物流コストも高騰しているのに、なぜそれが可能なのか。
ローソンへの取材では、次の2つの工夫が明かされました。
● 値上がりが予想される原材料を、去年よりも早く確保した
● 一部商品で同じ食材・包材を共用し、産地を細かく指定していた食材の指定を一部緩和した
地道なコスト管理の積み重ねが、3,000円以上という大きな値下げにつながったわけです。
「あえての値下げ」が、家計の味方になる
終わりの見えない値上げの波の中で、
ミスターマックスの500品目値下げ、コンビニ各社のおにぎり値下げ、
そしておせちの大幅値引き——それぞれに、企業側の工夫と戦略があります。
完全に物価高が解消されるわけではありません。
それでも、「あえて値下げ」を選んだ店の存在は、
毎日の買い物にため息をついている人たちにとって、確かな光になっています。


