のJチャンやまぐち
【県民サーチ】「これだけあって213円は破格です」――激安スーパー「ラ・ムー」に人々が殺到する理由
1パックで100円のたこ焼き。
大きなハンバーグが丸ごと入って、それでも213円のお弁当。
値上げが当たり前になった時代に、その価格表示はまるで別世界のようです。
下関に新店舗をオープンしたディスカウントストア「ラ・ムー」が、
いま大きな注目を集めています。
オープン前から行列が——「安いから毎日来る」
開店前から店の前には長い行列ができました。
物価高が続く中、激安を求める客たちが次々と詰めかけ、店内はたちまち大混雑。
買い物かごはあっという間にいっぱいになります。
「来てる方もみんねね、安いから毎日来るって言ってるよ」
そう話すのは、惣菜コーナーに立つ80代の女性客。
ボーダーシャツ姿で棚を眺めながら、まるで近所のなじみの場所に来たような自然な口調でした。
新店舗がオープンしておよそ1か月。
訪れる人たちの表情には、驚きと満足が混じり合っています。
「これだけあって213円は破格」——お弁当コーナーの衝撃
惣菜コーナーに足を踏み入れると、まず目を引くのが並んだお弁当の数々です。
唐揚げ弁当、ハンバーグ弁当、そして春巻きや肉団子が入った中華弁当。
どれも、なんと213円。
「中華屋、そして唐揚げ、またまたこの大きなハンバーグが入って、
お値段なんと213円。これだけあってこのお値段は破格です」
リポーターの津山奈穂子さんが声を上げたのも無理はありません。
惣菜コーナーも侮れません。
専用の工場で作られるかぼちゃの煮物は152円、ほうれん草の胡麻和えは106円。
「これを作ったら、結構時間とお金かかる。
やっぱり惣菜買ったほうが安い」と男性客は話します。
「見て、この色艶の良さ」——野菜も肉も驚きの価格

お弁当や惣菜だけではありません。
レタスは1玉150円。
豚肉が高騰する中、国産の豚細切れ肉は100グラムあたり106円、1パックで698円です。
「見て、この色艶の良さ。このボリューム、この安さ。驚きです」と津山リポーター。
肉の売り場では、笑顔でショーケースをのぞき込む客の姿が絶えません。
なぜ安くできるのか——自社一貫体制と段ボール陳列の工夫

この驚きの価格を支えるのは、徹底したコスト管理です。
店長は言います。
「商品の企画や運送、製造、販売などを自社一貫で行っていまして」。
うどん、豆腐、食パンなどのプライベートブランド商品を中心に、
原料の価格交渉から生産、物流まですべて自社で手がけることで、
余分なコストを削り落としています。
さらに、お菓子や飲料は入荷した段ボールのまま陳列するという工夫も。
在庫管理の手間がなくなり、その分のコストが価格に反映されているといいます。
そして213円弁当には、もう一つ秘密があります。
弁当のおかずは惣菜としても販売しているため、材料を大量に仕入れることができます。
また、雨の日など来客数が少ないと予想される日は作る量を調整し、
食材のロスを最小限に抑えているのです。
「るんるんで伝えに行きました」——かごの中に見えた笑顔

買い物かごの中をのぞかせてもらうと、それぞれの「お気に入り」が見えてきました。
ある女性が見せてくれたのは「焼きそばドッグ」。
パンからはみ出すほど大量の焼きそばが詰まったこの一品、お値段108円です。
「見つけたとき、るんるんで伝えに行きました。見て、って」と弾んだ声で話してくれました。
別の客が一押しするのはプライベートブランドの乳酸菌飲料。
なんと10本で105円です。
また、天然ハマチの刺し身の短冊が400円を下回る397円だったことに思わず手を伸ばした方、
あいびきミンチを大容量で611円という値段に驚いた方も。
「合計金額を見たら、意外と安かったなって感じ」と話す客の表情は穏やかでした。
「1個100円だもん」――名物たこ焼き、1日最高売上20万円の人気

そしてラ・ムーを語るうえで外せないのが、名物のたこ焼きです。
青い手袋をはめたスタッフが鉄板でくるくると丸いたこ焼きを焼き上げ、
削り節とソースをかけて仕上げる。
その香ばしい匂いが売り場に漂います。

6個入り1パック、100円です。
「だって1個100円だもん」と言いながら4パックも購入した客は、
ラ・ムーができてから年金生活が助かっていると話します。
この価格にもかかわらず、1店舗で1日最高20万円を売り上げるというから驚きです。
実はこのたこ焼き、もともとはたくさん買った客への無料サービスでした。
「おいしいから売ってほしい」という声が相次ぎ、
手に取りやすい100円での販売が始まったといいます。
ラ・ムーを運営する大黒天物産の広報担当者は、
「店のテーマは驚きの安さ。
物価が上がっても、100円でたこ焼きを売り続けることがこだわりです」と話しています。
物価高の時代に、買い物の楽しさを取り戻す場所
値上げが常態化し、買い控えが広がる今の時代。
ラ・ムーの売り場には、
久しぶりに「かごにどんどん入れられる」喜びを取り戻した人たちの笑顔がありました。
疲れた日の夕食に、惣菜を気軽に手に取れる安心感。
思いがけない安さに「るんるん」する発見の楽しさ。
年金生活でも無理なく買い物できる頼もしさ。
激安の価格の裏には、自社一貫の仕組みと地道な工夫の積み重ねがありました。
そしてその恩恵を、毎日の暮らしの中で受け取っている人たちがいます。


