Jチャンやまぐち

のJチャンやまぐち

やまぐちの底力 海の厄介者を商品化 小田水産

瀬戸内海に面する小さな港町 平生町佐賀地区に水産加工会社 小田水産があります。

創業は1950年代。
家族を中心とした従業員8人の小さな会社です。

この会社が今力を入れているのが活魚としては市場に出回らない規格外のハモの加工です。

山口県漁協がブランド化している「西京はも」は1匹の重さを700から1500グラムと定めており
1キロあたり数千円で取引されます。

一方、小さすぎたり大きすぎたりするハモや水揚げの時点で死んでいるハモは「規格外」とされ
鮮魚としてはほとんど売り物になりません。

このように従来、買い手がつかず市場に出回ることがなかった資源を「未利用資源」と呼びます。
小田水産はこうしたハモを漁協から買い取って、加工をしています。

5年前まで佐賀地区ではやっていないかった未利用資源の加工は会社の存続を懸けたプロジェクトでした。

平生町佐賀地区はかつて多くの水産加工会社が立ち並び“加工のまち”と呼ばれていました。

しかし、少子高齢化や後継者不足により10年前に12社あった水産加工会社は
今ではわずか3社にまで減りました。
小田水産も経営難に直面していたといいます。

小田水産の後継ぎで社長の息子 小田佳希さんは以前は東京で美容関係の仕事をしていましたが
東日本大震災を機にUターンしてきました。
経営の経験はゼロ。しかし会社を何とか立て直そうと奔走しました。
漁業組合の支店長や漁師から「こういうのがおるんだけどどうにかして加工とかできんか?」
という相談を受け、規格外のハモの加工に乗り出したと言います。

これまで売り物にならなかった未利用資源を活用することで
小田水産は原材料を安く仕入れることができ漁師は収入が増えるということで、
まさにウィンウィンの関係が生まれました。

現在、商品化を進めているのが「ハモの明太子」。
1か月に30通りもの味付けを試しながら、試行錯誤を重ねています。
「ハモの明太子」は来年から本格的に販売を始める計画です。

小田さんは、「未利用資源の加工を通じて平生町に再び輝きを」と奮闘中です。

※ハモの明太子は現在試作品の段階ですが、小田水産では1本390円で限定1000本を販売しています。
興味のある方はぜひお問い合わせください。

◆問い合わせ先
★小田水産
■電話:080-5756-5199