のJチャンやまぐち
やまぐち未来人 「伝統工芸支える木地職人 金子祐樹さん」
「大内朱」と呼ばれる深みのある朱色に 金色に輝く「大内菱」。
艶やかな漆で描かれる柔和な表情。
およそ650年の歴史がある国の伝統的工芸品、大内塗の代表的な作品。
「大内人形」です。
金子祐樹さん(25)は
大内人形の下地となる木地を作る職人です。
「旋盤」と呼ばれる機械で木材を回転させ
刃物を当てて削っていきます。
金子さん:「塗りをする方がいらっしゃって
その前の工程を担当しているので
『これはいい形やな』って思われるようなものを作りたい」
下松市出身の金子さんは、
この春、県立大学を卒業し、木地職人になりました。
木地職人を志したのは3年前。
大学の教授から勧められたことがきっかけでした。
木地職人を志してから大学を卒業するまでの2年間、
独学で道具について学んだり、
木工作家の知人に指導してもらったりする傍ら
大内塗りのイベントなどにも積極的に関わり地道に見聞を広めてきました。
金子さん:「刃物の使い方に関しては、教わるというより
動画とか映像を見てある程度真似してみて
自分の手で覚えてこうした方がいいんじゃないかと試行錯誤して学んだ」
大内人形の造形が持つ「美しさ」にこだわって製作しています。
金子さん:「あと1、2ミリあったら
キレイな形だったのになぁということはあるので、
集中しないと失敗したときの後悔がすごいですね」
650年の歴史を誇る伝統工芸の世界で
木地職人としての道を歩み始めた金子さん。
受け継がれてきた伝統が織りなす
美しさに魅せられながら一歩一歩進んでいます。
金子さん:「今自分のもとにきたものは、美しいなって今までいろんな人が
思ってきた形なんじゃないかなって思って、そこに惹かれます」