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やまぐち未来人 「刀匠 湯川夜叉」

鋭いまなざしで炎を見つめる男性、刀匠の湯川夜叉(ゆかわ やしゃ)さんです。
防府市にある鍛錬所で刀を作り続けて5年目。
県内にふたりしかいない刀匠のうちのひとりです。

この作業は「火造り(ひづくり)」。
棒状に延ばした鋼(はがね)を熱して叩き、形を整えていきます。
ふいごで風を送ることで炉(ろ)の温度を調節し、
叩いたときの火花や音によって鋼の状態を把握します。
豊富な知識と経験が求められる「匠の技」。
刀を熱する炉の温度は800℃にも及びます。

実は湯川さんが生まれたのは、北欧の国スウェーデン。
日本人で、画家・空手家だった父親と、スウェーデン人の母の間に生まれました。
スウェーデンと日本を行ったり来たりする生活を続けていた彼は、10年前に夢で刀を見ます。
「夢から目覚めたときに刀鍛冶になりたかった。」
不思議な夢をきっかけに日本に移り住んだ湯川さんは宮崎県の刀匠に弟子入りし、
5年をかけ刀鍛冶の修行をします。
そして2015年に今の鍛錬所に移住、
翌年に文化庁が主催する研修会を修了し晴れて刀匠となりました。

また、刀匠になってからも生活は決して楽ではありません。
刀の制作にかかる費用はひと振りおよそ50万円から60万円。
期間は半年にも及びます。
「出来上がった刀に傷を見つけたり、割れたり、それは結構大変。
大変な仕事がいきなりダメになる、ゼロからやり直す。」

今年7月、彼のもとに嬉しい知らせが届きます。
昭和30年から続く日本刀のコンクールで、湯川さんの刀が入選を果たしたのです。
湯川さんが入選した作刀の部は刀の美しさが審査され、
「姿(すがた)」「地金(じがね)」「刃文(はもん)」の3つの点が評価のポイントになります。
歴史あるコンクールで認められた一方、湯川さんは
「もうちょっといい刀を作りたかった。集中力が足りなかったかな」と反省点を口にしました。

山奥の鍛錬所で暮らす刀匠の生活。
便利な生活ではありませんが、湯川さんは楽しいと語ります。
「刀を作るのは非常に難しいからすごくチャレンジになる。ただいい刀を作りたい。」
ひたすらにいい刀を追い求めて。刀匠、湯川夜叉の挑戦は続きます。

 

◆問い合わせ先
湯川夜叉HP:https://yukawayasha.com/jp/
マネジメント担当:株式会社UCDコンサルティング
住所:山口県宇部市中宇部1870-2
TEL:0836-43-6920 
FAX:0836-43-6951