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やまぐち未来人 ホテル楊貴館「若旦那」こと岡藤明史さん
長門市油谷にある「ホテル楊貴館」。
1973年創業、「美肌の湯」と評判の天然温泉と
油谷湾を見下ろす絶景が自慢のホテルです。
楊貴館の取締役、
「若旦那」こと岡藤明史さん(32)は、楊貴館の跡継ぎです。
楊貴館は、新型コロナウイルスの影響で
4月半ばから5月いっぱいの期間、閉館を余儀なくされました。
売り上げは、4月が前年に比べ2割。5月はゼロ。
大きな打撃を受けました。
営業休止期間は、
従業員の発案で地域の清掃活動を行いました。
観光業に携わる者として
地域への恩返しの思いからでした。
岡藤さんは、
1988年4人きょうだいの末っ子、長男として生まれました。
山口大学卒業後、福岡市の大手設備会社で5年間勤務し、
2015年に地元・長門に戻ってきました。
時を同じくして
長門市では、元乃隅神社が全国的に注目を集めたり
交流拠点施設「センザキッチン」の構想が持ち上がったりと
観光の新たなランドマークが誕生しました。
(岡藤さん)
「大きく変わっています。
5年前に戻ってきたときの長門と、今の長門で」
岡藤さんが大切にしていることは、
「地域資源」の価値に気づいて、それを活用することだといいます。
(岡藤さん)
「山からすごく濃度の高い栄養分が海に入っていく。
それが油谷湾の一番の強み。
ミネラル分の高い海藻や魚がよく育つ海」
岡藤さんは、楊貴館で取締役を務める傍ら
ながと国際観光推進協議会 会長、NPO法人つなぐ 理事長と
地域の活性化に向けた様々な活動に取り組んでいます。
(岡藤さん)
「皆さん、ある意味お尻に火がついている状態だと思います。
あぐらをかいて何もしなくても長門市って人が来てくれるよねって
思っていないので、じゃあより良いものをどうやったら作れるか。
もっとこうしようと」
楊貴館では
ホテルの一角を改装して「日本酒バー」を作る計画が進行中。
県内のおよそ20蔵元の地酒と地域の食材を楽しめる場所です。
デザインは森の木をふんだんに使い、
油谷湾の眺望を生かしたものにする予定です。
(岡藤さん)
「地域資源を活用するなかで、
日本酒と地域の食材とをペアリングできるような空間ができるといいな。
ここはハブ拠点(つなぐ場所)であり、疑似体験する場所。
実際に酒蔵に行き、その肌感を感じてお酒を飲むとすごいと思うんですけど、その入り口」
地元・長門の地域資源を理解し、それを多くの人に伝えていく。
岡藤さんの挑戦は続きます。
(岡藤さん)
「ないものねだりをしてもダメだと思っていて、『あるもの』をどう生かすか。
この『あるもの』ってとても貴重で、ここにしかないものってたくさんあるので」