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通りへ行こう 宇部市・万倉地区~前編~

毎週水曜日のコーナー「通りへ行こう」。
県内にある様々な通りをぶらりと散策し、地域の魅力を紹介します。

今回は宇部市北部にある、万倉地区の前編です。

この地域には萩焼、大内塗と並び、
国指定の伝統的工芸品である赤間硯が作られています。
赤間硯は800年以上の歴史があり、下関と宇部で作られています。
その硯の原石を採掘しているのは、県内で万倉のみ。
採掘から硯の仕上げまでを一貫して、一人の職人が手掛けているそうです。
現在万倉では、硯づくりをしている2軒の工房があるそうで、
その中の「日枝玉峯堂」さんを訪ねました。
工房には、原石の赤色頁岩が布団に包まれて置かれ、
石が乾燥しないよう、大切に保管されています。

また、繊細な石質のため、加工を始めると硯の形にするまで一気に仕上げるそう。
柄の長さが30㎝くらいある、大きなノミを使い分け、
体で押すような動きで彫り続けられます。
そこで、生み出される輪郭の曲線美。
墨池の稜線も滑らかで、使う人の用途に合わせた作りにしているそうです。

メンテナンスをきちんとすれば、何年も使い続けられるという硯。
職人さんの減少で、後継者の育成という課題もあるようですが、
なんとか技が次世代につながってほしいと思いました。


◆日枝玉峯堂
住所:宇部市西万倉793  
電話:0836-67-0641