【山口】捕鯨母船の日新丸が引退
日本の捕鯨文化を支えた船日新丸が最後の航海を終えました。
環境保護団体の妨害や商業捕鯨への転換さまざまな時代を乗り越えた船を
関係者がねぎらいました。
三陸沖や北海道沖での操業を終えた捕鯨母船、日新丸。
最後の雄姿をみようと下関港には約500人が詰めかけました。
=来場者=
「最後の機会に撮影を行おうと思いました」「本当にお疲れ様でしたといいたいです」
4日午前10時半すぎ半年間の最後の航海を終え日新丸が着岸しました。
港には乗組員の家族も到着を待っていました。
=乗組員の家族=
「きょうだいです。兄になります。(日新丸にも兄にも)お疲れ様ですってことで、
来てよかったです」
日新丸が誕生したのは1987年。遠洋トロール船「筑前丸」として建造され
その4年後に老朽化した捕鯨母船の後継として改造されました。
船の内部はいたるところでサビが目立ちます。
クジラを引き上げるスリップウェイやウインチもサビだらけ。
日新丸は環境保護を主張するシーシェパードから衝突されたり火炎瓶を投げ付けられたりする妨害行為を受けました。
漏電とみられる火災などもあり
何度も何度も補修を繰り返し日本の捕鯨文化を支えてきました。
=共同船舶・所社長=
「いや~よかったです。無事に戻ってきてくれて。何回も今回(の航海で)故障しましたから」「いろんなことを乗り越えて、やっとでこれが最後。本当の最後。
もう使えないでしょう。ご苦労さんでした。ありがとう日新丸」
=日本捕鯨協会山村和夫理事長=
「「刀折れ矢尽きる」というような状態で、
今があるんじゃないかなという風に思っております」
まだ活用できる部品や設備は新母船の「関鯨丸」で再利用されます。
そのあと日新丸は解体され、来年5月末に廃船となる予定です。
イワシクジラ24頭とニタリクジラ187頭。今年の捕獲枠をとりきった日新丸。
そのうち希少なイワシクジラの生肉のセリは7日市内の卸売市場で行われます。
UPDATE:2023-11-06