上関町祝島 8年ぶりの神舞はじまる
過疎の島に溢れんばかりの人が集まりました。
1100年以上の歴史を持つ上関町祝島の伝統神事「神舞」が8年ぶりに行われました。
「あ、あの船、あの船よね」
「ほらほら来たよ来たよ。あそこあそこ」
神舞の始まりを告げる入船神事です。
「ホ~ラ~ンエ~…ヤ~サ~オサ~」
櫂伝馬船とよばれる手漕ぎ船や大漁旗を掲げた漁船が列をなし、大分県からきた神職らを出迎えます。
櫂伝馬船の上では、若者が務める「采幣」と「剣櫂」が舞いを披露して先導します。
16日の祝島は、島民の数をはるかに超える人たちで溢れかえりました。
「だいぶ長く続いているから、それがいまも残っているのはすごいなと思いました」
神舞は、およそ1140年前、嵐にあった大分県国東半島の神職が祝島に漂着し、手厚くもてなした島民にお礼として農耕を教えたことが由来です。
以来、4年に1度、うるう年の夏に大分県から神職や舞い手が祝島を訪れ、神楽を奉納しています。
見物した人は
「こういう儀式を通じて、感謝をずっと続けているという意味合いを聞くと見え方も違ってくるなと思いました」
4年前の前回は新型コロナの影響で中止に。
8年ぶりの海を越えた交流です。
島に上陸した神職たちは、女性だけで構成された「シャギリ隊」に誘導され、神楽が奉納される仮神殿に向かいます。
yab井上隼レポート
「神楽が奉納される仮神殿は今回、神舞の歴史上はじめて小学校の体育館にできました。体育館を舞台に3日間で26種類の神楽が奉納されます」
祝島の人口減少と高齢化に伴い、今年はこれまでの5日間から3日間での開催となったほか、神楽の奉納会場が手作りやぐらから体育館になるなど規模が縮小されました。
「ここでしか見られない迫力」
「これが1000年も続いたというのはすごい事だなと思いますね。感慨深いものがあると思います」
最終日には、神職らが大分県に向け出発する出船神事が行われ、フィナーレを迎えます。
UPDATE:2024-08-16