長生炭鉱 坑口開けるための工事始まる
宇部市の長生炭鉱は1942年に水没事故が起きたまま放置されてきました。
中に取り残された183人の労働者の遺骨を収集するため閉じられた「坑口」を探す掘削作業が始まりました。
宇部市西岐波の海岸線、82年前に閉じられた長生炭鉱の面影を今に伝えるのは、海上に突き出た「ピーヤ」と呼ばれる2本の排気口跡だけです。
そのピーヤが見える場所で坑口を探す掘削作業がきょうから始まりました。
yab記者リポート
「坑口は小さな階段の延長線上にあるとみられています。以前行なわれた電気探査であの看板の地下4mのところに空洞があることが分かっています。」
坑口から海底に伸びる長生炭鉱は、1942年の水没事故で朝鮮出身者136人を含む183人の労働者が犠牲となり、遺骨はいまも残されたままです。
市民団体は、これまでも日韓両政府に対応を求めてきましたが「遺骨のある位置がわからない」などとして動いてもらえなかったため、自分たちの力で82年越しの遺骨収集を目指します。
炭鉱の図面などは残っていないため、作業は当時を知る人たちの証言などをもとに手探りで行われます。
「坑口があるとみられる場所の掘削が始まりました。他の場所より広範囲により丁寧に掘り進められていきます。」
大きなコンクリートの塊などが掘り出されましたが、きょうの作業で坑口につながる手掛かりなどは出てきませんでした。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「掘り始めることができたのはうれしいことで遺族の皆さんにすぐ届けたい。ダイバーが坑口の中に入って遺骨の手がかりを見つけられるようにさらに次の段階に進めていきたい。」
掘削作業は今後も行われ坑口が見つかれば、来月末に活動に協力するダイバーが潜水調査に入るということです。
UPDATE:2024-09-24