【山口】宇部市の長生炭鉱 遺骨回収に向けて3日間の潜水調査
宇部市の海底にあった長生炭鉱で、水没事故が発生してから2月3日で83年です。今もなお海底に残されたままの遺骨を回収するため、2月2日までの3日間に渡り潜水調査が実施されました。
1942年、宇部市の長生炭鉱で水没事故が発生し、朝鮮半島出身の136人を含む183人の労働者が犠牲になりました。今も海底に残されたままの遺骨を回収するため、先週金曜日から3日間、地元の市民団体が潜水調査を実施しました。調査を見守る人々のなかには、韓国人遺族の姿もありました。
今回、目指すのは最も多くの犠牲者が出たと言われている坑道から350メートル以上先の地点です。前回、去年10月の調査で坑道内には木片などの障害物があることが分かったため、それを取り除くための道具も持ち込みました。初日は前回の調査よりも、100メートルほど奥まで進めたということです。
2日目は雨が降りしきるなか追悼式が行われ、広場には400人を超える人が集まり犠牲者を悼みました。
潜水調査をしたダイバーは無事に戻ってきましたが、遺骨は見つかりませんでした。
迎えた最終日。遺族たちは飛行機の時間が迫っていたため、ダイバーに思いを託し長生炭鉱をあとにしました。調査開始から約2時間、ダイバーは炭鉱の中に落ちていた「石炭」などを拾って戻ってきました。
今回も遺骨は見つかりませんでしたが、調査は継続する予定です。
【長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表】
「ご遺骨は必ずある。必ず対面できると時は来る。次に向かって一歩一歩前進していきたいと思っております。」
次の潜水調査は今年4月を予定していて、韓国のダイバーと共同で実施するということです。
UPDATE:2025-02-03