5月15日「大阪春の陣 レノファここにあり」(楢﨑瑞)

5月15日 対 セレッソ大阪 4-2 ○


5月15日「大阪春の陣 レノファここにあり」(楢﨑瑞)
5月15日 対 セレッソ大阪 4-2○

 

まさに、

レノファのサッカー、ここにあり。

…という試合でした。

メインスタンド、バックスタンド、そしてホーム側ゴール裏。

すぐそばのマンションのベランダまでもが鮮やかなピンク一色。

そしてピッチに現れた、柿谷曜一朗選手を中心とした優勝候補筆頭の集団。

恥ずかしい限りですが、試合前から圧倒されました、私。

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ただ、我らがオレンジの戦士たちは、違ったようです。

 

小池選手と鳥養選手の2ゴールで、鮮やかな逆転勝利。

最後の最後まで運動量とパスワークで相手を圧倒しながらの勝利でした。

 

何より、JFL時代からの主力である小池選手と鳥養選手のゴールというのが嬉しかった。

 

「山口で勝負する。このチームと上の舞台に行って、代表を狙うために来た」と小池選手。

「サッカーを諦めかけた時期もあった。無くすものも、怖いものはないです」とは鳥養選手。

 

Jリーグに上がる前からチームを支え続けた選手のゴールが決まるたび、

熱いものがこみあげてくるのを抑えきれませんでした。

 

全員攻撃・全員守備。貫いた自分たちのサッカー。

「引いて守ることも大事。でも、やっぱり攻め続けて、たくさんゴールを奪って…そういうサッカーがしたいんです。だって、その方が楽しいじゃないですか。みんな。相手どうこうじゃなくてね」

試合後に立てなくなるほど最後まで走り切った島屋選手の言葉が、とても頼もしかった。

 

J2という旅は、まだまだ始まったばかり。

大阪での喜びと感動を糧にして、みんなで大きな波を越えていこう。

喜怒哀楽の真剣勝負を、みんなで楽しんでいこう。

 

さぁ 次も、やってやろう。

 

 

【取材こぼれ話】

「満足は、知らない ~ハタチの若武者・小池龍太」

 

いいプレーをしても、試合後のインタビューでは「まだまだです」を貫く。

「目標は?」と聞くと、「日本代表です」と答える。

 

「サッカー人生を賭けて来ました。ここでダメならサッカーやめる覚悟で」

JFLアカデミーを卒業して、

当時JFLに上がったばかりのレノファにやってきた彼は、そう言い切りました。

 

いわゆる「意識の高い」選手。それが小池龍太という選手です。

 

ただ…

取材する側がこういう言い方をするのはよくないのかも知れませんが、

サッカーから離れた彼は、まさに「かわいい弟」。

人懐っこくて正直。ただ、サッカーに関しては人一倍自分に厳しく、なにより一途。

それが、私が知る小池龍太という人間です。

 

去年の11月3日、対藤枝MYFC戦。

初めてのサッカー実況でガチガチに緊張していた私に、

「楢崎さんが実況ですか?なら、自分のJリーグ初は、その日にします!楽しみにしていてください」

そんな声をかけてくれたのが小池選手でした。

 

元気づけようとしてくれるなんて…かわいいやつだなぁ…なんて思っていたのですが…

まさに有言実行。彼はその試合で、本当にJリーガーとしての初ゴールを決めたのです。

 

美しいミドルシュート。本当に見事でした。

Jリーガーとしての初ゴール。試合に敗れたとはいえ、少しは嬉しそうな顔をするかと思ったら…

 

「楢崎さんに初ゴール実況してもらえて嬉しかったです!でも、もっと決められるシーンはあったし、なにより負けたら全部ダメです。プロですから」

 

「負けたら全部ダメ」

20歳にして、これほどまでプロ意識が高いのか、と感嘆したのを覚えています。

 

そしてJ2で迎えた今シーズン。

「楢崎さん、今年はいつ実況するんですか?その試合でJ2初ゴール狙いますから」

「いやいやいや…遠慮せずにガンガン決めていいよ!」

「それはそれでプレッシャーですね(笑) まぁ、めっちゃ大事なところでカッコよく決めたいですね。今年は狙っていきますよ」

そんな会話を春先にしていたのですが。今回もやってくれました。

 

チームに勢いを与える先制点。

そして、試合を決める4点目。

右サイドから何度もチャンスを演出し、自らも2ゴール。

試合後に話を聞きに行ったところ…

 

「いや、きょうは正直に嬉しいです」

珍しく、はにかみながらの笑顔…だったのですが…すぐに真顔に戻って、

 

「でもこんなもんじゃだめです。これくらいで喜んでちゃだめ。もっとできるし、まだまだ走れます。自分はもっとやんなきゃダメなんです。もっと上を目指さないと。自分も、チームも」

 

岸田・中山という攻撃の軸、そして三幸という司令塔の一角を欠く状況下で、

勝つためには「自分がどんどん打っていかないと」という思い。

そしてチームとして「セレッソ相手でもやれる」という雰囲気があった。

だからこそ、もっと走らなければならなかった。もっと決めたかった。

小池選手はそう考えていたそうです。

 

「それに自分はまだ、リオを諦めてはいないので」

彼が加入以来言い続けてきた、リオ五輪日本代表。

 

満足は、知らない。

妥協も、しない。

 

目指すのは、もっと上。

J1、そして日本代表という大きな目標を達成するまで、

彼に「満足」という言葉は存在しないのでしょう。

 

ハタチの若武者、小池龍太。

まさに龍のごとく、もっと高みへと一気に上り詰めてくれるその日まで、

私も置いて行かれないようについていかなくちゃ。

そんなことを考えた大阪からの帰路。

 

そこに彼からの、一通のメッセージ。

「諦めないんで、応援おねがいします」

 

がんばれ、リュータ。君ならきっとできる。

誇らしげに日の丸を背負う姿を、ずっと待ってる。

駆け上がれ、龍太。

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(写真は山口市のコラソンさんで。J2初ゴールを祝うくす玉にニッコリ)

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