5月28日「札幌戦 ~いろんな意味で札幌は遠かった~」(八谷英樹)

札幌戦 ~いろんな意味で札幌は遠かった~


5月28日「札幌戦 ~いろんな意味で札幌は遠かった~」(八谷英樹)
yabアナウンサーの八谷英樹です。

アウェー札幌戦の取材で北海道に行ってきました!!

 

 

札幌までの道のりは遠かったです・・・。

 

 

5月27日、羽田空港で大韓航空機の出火事故がありました。

何を隠そう、そのとき私たちは羽田空港で

新千歳空港への乗り継ぎ便を待っていたのです。

 

 

夕方には、札幌に到着してススキノNIGHTを満喫♪

そんなプランを勝手に思い描いていたワタクシ。

「乗り継ぎ便はまだかなー?」なんて悠長に構えていました。

O田ディレクターからの電話で、現実を知らされます。

 

 

O田氏:「大丈夫か?事故の影響は?」

八谷:「へっ??・・・」

 

 

しばらく待ちましたが、欠航・・・ちーん。

まぁ、事故なので仕方がないです。

 

 

でも、私たちはどうしてもその日のうちに札幌に入りたかった!

なぜなら、翌朝「みんなのレノファ」で札幌から中継するため。

 

 

男たちは使命感に燃えていた(ここからは「プ○ジェクトX」風に)。

 

 

♪風のなかのす~ばる~~

 

 

O田が電話の前で叫んだ「陸路だ!新幹線で北海道に入れ!」

八谷が「わかりました」と言いかけたそのとき、

1人の男が、おもむろに口を開いた。

「新幹線は函館までだ。今日中に、札幌へは行け・・・ない。」

八谷とともにアウェー遠征していたディレクターのY中だった。

その言葉には、無念さがにじんでいた。

Y中もまた、ススキノNIGHTを夢見ていた。

 

 

ところが、ここからのY中の行動には目を見張るものがあった。

「成田だ・・・。」

Y中はそうつぶやくと、携帯を繋ぎ、成田から新千歳に入る便を探った。

 

 

「大丈夫です。今日中に、札幌に・・・行けます!」

Y中が振り絞ったひと言に、八谷はたまらない安堵感を覚えた。

 

 

♪つばめよ~ 高い空から~ 教えてよ 地上の星を~

 

 

「ススキノが、オレたちを待っている・・・。」

男たちは、迷いのない足取りで成田空港行きのバスに乗った。

2人の表情は、希望に満ち溢れていた!

 

 

・・・「プ○ジェクトX」はこの辺で終了します。

ここまでいっさいサッカーの話題は出てきていませんしね(笑)

 

 

さて、成田空港に到着。

撮影機材が重量オーバーで追加料金を取られたものの、

ようやく乗れました・・・・・・・・・。

あえて「・・・」は多めです。そんな心境でした。

 

 

 

成田空港で

⑥

 

 

ところが!

 

 

「機材トラブルにより、しばらくお待ちください」と1時間以上待たされ、

「給油しますのでいったん降りてください」と降ろされ・・・。

 

 

ようやく出発できたのは、当初の予定の約3時間後。

午後9時半頃になってから。

 

 

その後、新千歳空港からバスで50分。札幌市内へ。

ホテルに到着したのは、午前1時ごろでした。

 

 

それでも、まだ「花金の夜」は終わりません。

なぜなら、翌朝の中継に向けての準備があるからです。

中継のなかで、私は“事前に札幌名物を食べ尽くした”という演出でした。

(まぁ、自分でそういう設定にしたんですけど(笑))

食べてもいないのに「食べた」と嘘をつくのはよくないので、

夜中の1時過ぎからジンギスカンを食べ、札幌ラーメンを食べ…。

まぁ、すごくおいしかったですけど(笑)

 

 

ジンギスカン

①

 

札幌ラーメン

②

 

 

「きょうこれだけ大変だったんだから、明日の試合は勝つよね!」

Y中氏とそんな言葉をかけ合い、

深夜3時半に、疲労感たっぷりで寝ました。

 

 

さて、翌日。32歳、若干の胃もたれを感じながら、

札幌市・大通公園から無事に中継を行うことができました。

この瞬間のために、きのうはあんなにがんばったんだなぁ。

こみ上げてくるものが・・・特にありませんでした(笑)

だって、本当の試合はこれからだもの!

しかも、相手は現在リーグ首位!

さぁ、やってやろうぜ!!

 

 

札幌ドーム

③ ④

 

 

さて、札幌ドーム。造形美ですねぇ。

シルバーに輝くさまは、近未来のようでもあり、興奮しました。

ここで、プロ野球の試合も行われているんだなと考えると

やっぱりすごいですよね。

 

 

試合前の練習では

小野伸二選手、稲本潤一選手、増川隆洋選手らを見ながら

心の中で舞い上がっていたのはここだけの話です(笑)。

 

 

レノファはJ1を目指すチームです。

いくら相手に元日本代表選手がいようとも、

相手がJ2首位のチームであろうとも、負けられません。

 

 

しかし、試合は開始早々から札幌ペースでした。

上野監督は「芝に慣れるのにも時間がかかり簡単なミスがあった」と話していましたが、

移動の疲れもあったのではないかと邪推します。

はっきり言って、全然「らしさ」が感じられませんでした。

 

 

それでも、前半はよく耐えた。本当によく耐えていたと思います。

ただ、後半開始早々の嫌な時間帯に失点。

チャタン選手があそこでいかなければ相手にやられていたと思うので・・・。

カードをもらわなくてよかったとポジティブにとらえるしかありません。

 

 

相手の2点目も、あのクロスに

ドンピシャヘッドを決められると、ちょっとキツいですよね。

率直に、さすが首位のチームだなと感じました。

 

 

3点目に関しては、もうスーパーゴールだと思います。

「そこから打っちゃう?入っちゃう?」みたいな。

 

 

一方のレノファは、庄司選手のPKの1点止まり。

でもね、弱いチームなら、PKでもここで1点を返すことはできないと思うんです。

札幌にしてみれば、6試合ぶりの失点ですから。

(かといって、本当に強いチームなら、逆転できるんでしょうけど・・・)

 

 

庄司選手にとっては、プロ5年目での初ゴールなんですけどね。

もっと喜べる状況で見たかったです。

プロ2ゴール目は、ぜひ勝ち試合で!

みんなに囲まれてくしゃくしゃにされる庄司選手を見たいです。

 

 

相手が1人退場してからは、

相手ゴールに近づく場面は何度か見られたのですが、

正直なところ、あまり“ゴールの匂い”は感じませんでした。

 

 

1-3。負け。

 

 

⑧島屋選手

「(札幌は)失点が少ないだけあって、守備が組織的で固かった。いろんなチームが、僕らのサッカーを見て対策・研究してくる。それを打ち破るように、もっと攻撃的なサッカースタイルを貫きたい。」

 

⑩庄司選手

「(PKは)ベンチから『庄司が蹴れ』と指示があった。(初ゴールは)5年目なので遅いと思う。これからも点を決められるといいけど、チームの勝利に貢献できるプレーをしたい。」

 

⑨岸田選手

「目の前で力の差を見せつけられた。J2という壁が、初めてすごく高く感じた。相手のFWは僕が苦手としていることもしっかりやって、味方につないでいる。相手のFWを間近に見てすごく勉強になった」

 

 

私たちが感じた以上に選手たちは「力の差」を痛感したのかもしれません。

でも、「自分たちの現在地」を知るのも大切なことだと思います。

冷静に、客観的に、自分たちに足りない部分をこれから補っていく。

 

 

レノファは、つい3年前まで中国リーグで戦っていたクラブです。

急ぐことはない。また、ここから上を目指していきましょう。

むしろ、今この順位で私たちをワクワクさせてくれていることに感謝です。

 

 

そして、もう1つ。札幌で感じたこと。

それは、「ホームの熱」です。

真っ赤に染まったスタジアム、ドームに響く大歓声は

我々アウェーの取材陣にとっては威圧感さえありました。

きっと、この声が選手たちの背中を後押しているんだろうなと思いました。

サッカー文化が根付いているんだな、と。

 

 

 

札幌サポーター

⑤

 

 

相手は、ずっとJ1、J2で歴史を積み重ねてきたクラブ。

認めます!札幌は強かった!!

現時点では、まだまだ札幌は遠い存在かもしれません。

でも、レノファも、もっともっと上を目指していける。

その可能性を、僕は信じています。

 

 

札幌との試合は、7月にもう1試合あります。

今度は、私たちが維新スタジアムをもっともっとオレンジに染めて、

最高の雰囲気で、レノファの戦士たちを後押ししましょう!

そして、札幌にリベンジを!!

 

 

そんなことを考えながら、山口に帰ってきました。

ちなみに、帰路は無事に帰れました(笑)

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