8・27 天皇杯1回戦 ~トリくん、待っていました!~(八谷英樹)

レノファ山口 4-0 東海大学熊本


8・27 天皇杯1回戦 ~トリくん、待っていました!~(八谷英樹)
レノファ山口 4-0 東海大学熊本

 

 

J2リーグ戦を離れて、今回はカップ戦。96回の伝統ある天皇杯です。

負ければそこで終わり。1発勝負のトーナメント戦。

 

 

天皇杯といえば、私は99年の横浜フリューゲルスの優勝が思い浮かびます。

優勝して、クラブが消滅してしまったという・・・。

決勝戦での、NHKの山本浩アナの名実況はもはや伝説です。

 

 

「私たちは忘れないでしょう。横浜フリューゲルスという非常に強いチームがあったことを。東京国立競技場。空は、今でもまだ横浜フリューゲルスのブルーに染まっています。」

 

 

今思い出しても、胸にジーンときます。

 

 

さて、その天皇杯の1回戦。レノファの相手は、大学生でした。

東海大学熊本。4月の大地震で甚大な被害があった熊本県代表チームです。

 

 

東海大学熊本は、地震の影響でおよそ1か月間、練習ができなかったそうです。

私事ですが、メンバーのなかには、彼らが高校生時代に取材した選手が数人いて、

元気な姿を見られたこと、成長した姿を見せてもらえたことに、

試合前から、こみ上げるものがありました。

 

 

「プロチームに勝ちたい」

「がんばることで、被災した熊本を勇気づけたい」

 

 

東海大学熊本の選手たちは、純粋でまっすぐなモチベーションがあったことと思います。

実際に、球際の部分などに「強い気持ち」を感じましたし、

ゴールポストを叩く場面もあるなど、

レノファのゴールネットを揺らしてもおかしくない場面もいくつかありました。

 

 

結果的には、4-0でレノファが勝ちましたが、

試合後にレノファのゴール裏に挨拶にきてくれた、

東海大学熊本の皆さんの表情、まっすぐな視線・・・、

そして、健闘を称えるコールと激励の大声援で応えたレノファサポーターに

目頭が熱くなりました。

 

 

また大きな地震が、熊本でありました。

熊本の皆さんの無事と、1日も早い復興を心から祈っています。

 

 

さて、我らがレノファ山口は、リーグ戦とほぼ同じベストメンバーで臨みました。

上野展裕監督の言葉を借りれば「礼を尽くして」戦った試合です。

 

 

大学生が相手ということもあり、

序盤から、ペースを握ったのはレノファでした。

前半8分、セットプレーから三幸秀稔選手のゴール。

前半29分には、幸野志有人選手のレノファでの初ゴール。

ここまでは順調でしたが、3点目が取れない状況がしばらく続きます。

 

 

待望の3点目は、後半39分になってようやく。

ルシアーノ選手のシュートから

最後は安藤由翔選手がきっちり決めてくれました。

よく見るとわかるんですけど、安藤選手のゴール前への寄せ。

オフサイドギリギリのところから詰めているんですよね。

さすがの嗅覚でした!

 

 

そして・・・。

この男に触れないわけにはいかないでしょう。鳥養祐矢選手。

この試合の締めくくり。4点目を決めてくれました。

 

 

ピッチ脇で交代を待っているときから、スタンドは大歓声。

 

 

⑪鳥養選手「(スタンドの歓声は)聞こえないフリして、冷静ぶったんですけど、やっぱり聞こえていましたし、本当にピッチに入った瞬間から『やってやろう』っていう気持ちにさせてくれました」

 

 

今シーズンは、出場機会が減っていました。

それでも、彼は腐らずに、手を抜かず練習に励んできました。

いや、もしかしたらちょっと腐っていたかもしれない。

 

 

それでも、彼はこう言います。

⑪鳥養選手「周りに支えてくれる人がいるから自分はがんばらなきゃいけないですし、腐っている姿を見せたら悲しませてしまうので、そういうところは絶対に見せません」

 

 

ここからは、完全に私の個人的な思いなのですが、

彼がここまで実戦から遠ざかっているという事実は

なかなか受け入れがたい部分があります。ケガでの欠場ではないだけに、なおさら。

最近は維新スタジアムで鳥養選手に会っても、挨拶をして、

その次にかける言葉をなかなか見つけられずにいました。

 

 

それでも、ピッチに立てば・・・トリは必ずやってくれる!

 

 

思い出してください。5月のセレッソ戦。

小池選手のゴールで先制するも、相手に逆転され、

「やっぱりセレッソの方が強いのか・・・」そう思いかけたとき、

同点ゴールを決めて、私たちを奮い立たせてくれたのは鳥養選手でした。

逆転ゴールも鳥養選手のスーパーゴールでしたね。

 

 

「ピッチに立てば、トリは必ずやってくれる。」

自らの存在価値を力強く証明したゴールは、維新では今シーズン初。

維新スタジアムの夜空に響いた「鳥養祐矢、ゲットゴール!」の声・・・。

 

 

私、今回はピッチサイドでカメラを回していたんですが、

気付けば、ずーっと鳥養選手を追っていました(笑)。

人をひきつける魅力を持った選手だと思います。

 

 

⑪鳥養選手「まだまだ活躍しなきゃいけないと思っていますし、みなさんの支えや応援には必ず恩返しするので、その時を待っていてください」

 

 

「ピッチに立てば、トリは必ずやってくれる。」

トリくん、次のゴールを待っているぞ。

 

 

さて、次は天皇杯2回戦。

9月7日にアビスパ福岡と対戦します。

 

 

J2リーグ戦(次は11日に岡山戦)との兼ね合いもありますが、

プロである以上、「負けていい試合」なんてないハズです。

「J1チームの胸を借りる」なんて生ぬるいことは言わずに!

勝ちましょう!!やってやりましょう!!

 

 

勝てば、去年までレノファに在籍した小塚選手が所属する

アルビレックス新潟と対戦する可能性もあります。

福岡に勝って、小塚選手に会いにいきましょう!

いや、小塚選手擁する新潟を倒しに行きましょう!!

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