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3月27日(木)のYOU!どきっ
【みんなのふるさと】地域の米と水で醸す酒 阿武の鶴酒造
阿武町奈古の港からすぐ近くのところに1897年創業した。
1983年に酒造りを休止し、酒の販売のみをしていた。
休止した年に生まれたのが三好 隆太郎さん。
実家の酒造りを見ることなく育った彼は、
東京の大学で設計を学び店舗の内装デザインをする会社に就職した。
「人々にとって身近な物」をつくることを模索しているとき、
たまたま見つけた冬季限定の酒蔵の求人に応募した。
千葉から始まり埼玉、岐阜、青森の酒蔵で毎冬働き、酒造りの楽しさを覚えた。
そんな時、父から実家には無くなったと思っていた酒造免許があったことを知らされ、
実家の酒蔵の復活を目指し帰郷した。
六代目として酒造りに取り掛かろうと思ったが、設備がすでに無く、
長い間醸造の実績も無いため融資が受けられなかった。
そこに声を掛けたのが東洋美人でしられる澄川酒造場の澄川宜史さん。
澄川酒造場の蔵を借り、教わりながら酒造りを始めた。
実績を積み融資が降りたことから冷蔵室やボイラーを新調。
2017年、自らの蔵での酒造りを再開した。
酒米は阿武町の農家で契約栽培、水は蔵の下を流れる伊良尾山の伏流水を使用。
米の旨みを生かし、なおかつきれいな(雑味のない)酒を目指している。
酒造りは米を作る農家、蔵で働く人、酒を醸す人がいて成り立つ地域の産業であること。
そこにこだわっている。
銘柄は創業以来の「阿武の鶴」と新銘柄「三好」を加えた。
「三好」は自分の苗字であるとともに、
酒造りに大切な「米・麹・水」・酒造りの重要度「一麹・二酛・三造り」・
商売の極意『売り手・買い手・世間(三方良し)』など
三の意味を大切にしたいという思いが込められている。
現在の酒造量は約200万石(一升瓶で2万本)、
3倍まで増やすことが現在の目標。
◆阿武の鶴酒造合資会社
TEL:08388-2-2003