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5月22日(木)のYOU!どきっ
みんなのふるさと【手仕事の美 木工家具職人「工房 木象庵」萩市むつみ】
「工房 木象庵(もくしょうあん)」は無垢材を使用したテーブルやチェア、
額縁や一輪ざしなどのオリジナル木製家具を製作している。
実用性と美しさが一体となった「用の美」を追求し、
手で削ることによる「線の美しさ」にこだわっている。
藤田浩司さんは東京のIT業界で長年働いたが、
「自分の成果を目に見える形にできる仕事がしたい」と考えるようになり、
36歳の時に会社を退職した。
山や木が好きだったことから、伝統工芸品などを作る職人になりたいと思い、
日本中を旅しながら今後を模索した。
島根県松江市の造形作家の作った木製家具に出会い、
美しさがある家具に一目惚れ。出雲高等技術学校で木工の基礎を学び、
卒業後に造形作家のもとで修業を積んだ。木の特性を生かし美しく見せる家具づくりを学んだ。
2013年に独立し故郷である萩で「工房 木象庵」を開業した。
木象庵の目指す木製家具制作は“荒々しさと緻密さの共存”。
素材としての木の凄味(荒々しさ)・良さを活かしつつ、
そこに日本古来の伝統技術である組手・仕口の技術(緻密さ、精密さ)を組合せ、
それらがより引き立つための手仕事(ノミ、カンナ等)により仕上げを行う。
機械では出せない木材の滑らかさや質感、美しい線が生まれ、
触っても楽しめる家具が出来上がる。
例えば、椅子の座面は平らではなく、細かな波が刻まれている。
カンナで削る手仕事を加えることで見た目の美しさだけでなく圧力が分散され、
座り心地が良い椅子になる。まさに、美と機能性の共存である。
椅子の制作期間は約2カ月だという。
塗装は天然桐油による木材の表面に
塗膜を作らない塗装方法を基本としている。
木の素材そのものの木肌を保ち、
使い込むほどに素材本来の美しさが引き出される。
世代を超えて長期間使い続けることが可能な家具作りを目指している。
▼問い合わせ先
工房 木象庵
住所:萩市高佐下2118
電話:08388-8-0200