YOU!どきっ

のYOU!どきっ

7月3日(木)のYOU!どきっ

【みんなのふるさと】未来へつなぐ なむでん踊り 周防大島町久賀

■「なむでん踊り」とは
周防大島久賀で約240年前に始まった「久賀なむでん踊り」。
五穀豊穣と無病息災を願い踊る民俗芸能で、
1976年に県の無形民俗文化財に指定されている。
今年は6月28日に行われた。

踊りの主人公は加賀の国篠原の合戦で木曽義仲に討たれた平家の武将・斉藤実盛(さねもり)。
実盛は田んぼの稲株に馬がつまずいたことで討ち取られたと伝わっている。
実盛の死後、この地方で病害虫が発生。農民たちは実盛の亡霊と恐れ、
踊りと供養で霊をしずめる「虫送り行事」を行った。
これを芸能化したのが「なむでん踊り」、田植えの終了を祝う行事である。
鐘(かね)や太鼓の激しい音の響きによって悪虫悪霊を追い払おうと考えられた。

■伝承されていく「なむでん踊り」
かつては大人が舞っていたが、約50年前に伝統を受け継ごうと
地元の小中学生も踊るようになった。
踊り手不足などから2006年を最後に一時中断。
2015年子供の頃に踊っていた大人が復活させた。
本番約1カ月前から練習(伝承教室)を続けてきた。
ホラ貝の合図で始まり、踊り手は鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らしながら舞う。
斎藤実盛を模した「デコ」と呼ばれる武者人形を持つ役が先導する。
デコは害虫や疫病を集める役目があり
最後に供養しデコの代わりにわらで作った万燈舟を海に放つ。
踊りの間には「棒使い」の演舞、
さらにシカシカと呼ばれる口上役が踊りを景気づける。
久賀地区の4カ所で奉納する。

問い合わせ先
◆八幡生涯学習のむら 
TEL:0820-72-2601