のJチャンやまぐち
やまぐちの底力 ~何でもつかめるロボットの手~ 前田機工
下関市にある「前田機工」は長年、産業機械を扱う商社として歩んできました。
しかし、商品を仕入れて販売するだけの仕事に限界も感じていました。
そこで始めたのが「ものづくり」。
少子高齢化で労働人口が減少する中で目指したものづくりはロボットでした。
社内の技術者を集めてロボットハンドを製作。
取り扱っている産業機械に取り付けてみることにしました。
その結果、取引先の工場では2人がかりの作業が1人で済むようになりました。
しかし、ロボットハンドの先端部分は、つかむ物が変わるたびに取り換えが必要でした。
取り換えが不要のロボットハンドがあれば・・・・・
そんなとき、産業用ロボットを研究する九州工業大学との共同開発が持ち上がり、
去年12月、製品化に成功しました。
「磁性流体」という特殊な液体が入っていて、
磁力をかけると、物体に合わせて変形して固まります。
これは何でもつかめる、どんな形状や柔らかいものでもつかむことができます。
実際にやわらかい風船も割ることなくつかめる。
生たまごも傷つけることなく、
包み込んで固まっている状態で、姿勢も変わりません。
一度つかんだものは磁力が解かれるまで離しません。
今は重さ10キロまでなら形状を選びません。
持ち手の交換が不要のロボットハンドは
今後、宇宙、深海など劣悪な環境の中で十分に使える性能があります。
前田機工は今後もものづくりを通したチャレンジを続けていきます。
★前田機工株式会社
■下関市卸新町10-5
■HP:http://maedakiko.com/
■電話:083-234-1101