Jチャンやまぐち

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やまぐちの底力「キッコウ・ジャパン」

美祢市の土木開発会社「キッコウ・ジャパン」。
社長の吉村隆顕さんは石積みの長所を生かしながら
のり面や河川の護岸が崩れるのを防ぐ工法を開発しています。

急な斜面を蜂の巣状に覆う「ブランチブロック」と呼ばれるコンクリート製のブロックは
積まれた自然石と一体となって斜面が崩れるのを防ぎます。

現在、斜面の補強はコンクリートで全面を覆うものが主流となっています。
コンクリートの最大の欠点は温度変化によって膨張収縮することが挙げられ、
全面を覆う場合は目地を入れる必要があります。
目地が入ることでコンクリート同士の結びつきが弱まると吉村社長は言います。

ブランチブロック開発の始まりは若い時に吉村社長が体験した災害にありました。
大雨によって山からの土砂が自分の田んぼに流れ込んでいると思いきや、
「木の枝や根っこ」が土砂をせき止めていたのです。
その「木の枝や根っこの形」がブランチブロックのヒントになったといいます。

また、ブランチブロック同士をがっしりと組み合わせる方法は
日常のふとしたきっかけで生まれました。
吉村社長が風呂に入って「足を組んだ時」に思いついたそうです。

ブランチブロックは河川の護岸でも力を発揮します。
河川が増水したときはブランチブロックの凹凸が水の勢いに抵抗をかけ護岸が崩れるのを防ぎます。

ブランチブロックは東日本大震災で被災した福島県にある農業用ため池の斜面や
台湾で起きた台風被害の復旧工事にも用いられました。

国内外で活躍するブランチブロックにはある欠点がありました。
設置するためには石を組む「熟練の職人」が必要で、
どうにかして簡単に設置する方法はないかと吉村社長は考えます。
70歳で新たなブロックの開発に取り組んだのです。

ブランチブロックを発展させて完成したのが「ガンロック」です。
窓枠のような形をした「ガンロック」はブランチブロックに比べ
「石を組むという作業を簡略化」し容易に設置することが可能となりました。

吉村社長の信念は「失敗は成功の部品になる」です。
人の命や財産を守るため生涯現役で開発を続けていきたいと話していました。