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10月31日(木)のYOU!どきっ

【みんなのふるさと】木桶と天然醸造にこだわる 桑田醤油 防府市

防府天満宮のふもとにある小さな醤油蔵。
1927年(昭和2年)の創業以来ずっと変わらない木桶仕込みで、
地元に愛される醤油を造り続けている。


木桶は約100年使い込まれたもの。
県内で最も多くの木桶をもつ醤油蔵。
三代目の桑田浩志さんは大学卒業後東京で就職していたが、
2004年にUターンし家業を継いだ。

〇醤油づくり
醤油づくりは蒸した大豆と炒った小麦に種麹を加え、
高温多湿の麹室で3日間、麹菌を繁殖させ麹をつくる。


その間何度も麹をほぐし適切な温度を保つことで良質な麹が出来上がる。
醤油の基本は、一に麹、二に櫂(かい)入れ、三に火入れ。
その中でも、麹が非常に大事、これの良し悪しが最終的な「味、香り」に大きく左右する。

麹が出来上がると木桶に移し、塩水と混ぜる。
桑田醤油では、ここから約1年半、
定期的に櫂入れ(かき混ぜる)を行い発酵熟成を促していく。
蔵の柱、壁、杉樽にはカビのようなものが付いている。
桑田醤油の味は長年受け継がれてきたこの蔵の微生物のおかげ。
約1年半以上、ゆっくり、じっくり諸味(もろみ)を醗酵・熟成させていく。
空調設備のない蔵の杉樽での自然発酵は、ほとんど微生物に育ててもらってるようなもの。
桑田さんはこの方法がうまい醤油をつくる一番の方法だと確信している。

木桶仕込みの醤油は全国の1%に満たず、ほとんどが小さな醤油蔵。
一般のものに比べて価格が高いが、手間と時間がかかるからこそ、
他とは違う味と風味が出せると言う。


〇地域に愛される桑田醤油
昔ながらのお客やへき地へ軽トラで配達も行っている。「この醤油じゃないと困る」という声もある。

桑田さんは
「だから止められない。木桶仕込みの醤油づくりは、地元の味。
この醤油づくりを絶やさないようにしたい」と話す。

工場長の守永渉太さんは34歳ながら醤油づくり13年のベテラン。
自信をもって醤油を作っているが、料理人においしいと評価され、
あらためて木桶仕込みの良さを実感している。
家庭では妻が自分の作った醤油を買って使っている。


◆桑田醤油 
住所:防府市松崎町8-11 
電話:0835-22-0386